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楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)の特徴。米国投資の注目ファンド

3. 商品選択と組み合わせ




2017年に誕生した「楽天・全米株式インデックス・ファンド」は「Fund of the year 2018」でも第4位に入賞した投資信託です。

投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018

SBI・V・全米株式インデックス・ファンドが登場するまでは、すべての米国株に投資できる唯一の投資信託として選ばれてきました。ますます商品選びに悩みますね。

以下、楽天・全米株式インデックス・ファンドの特徴、および乱数シミュレーションを利用した将来の予想成績や、生じる可能性のある損失見込み額を紹介します。

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楽天・全米株式インデックス・ファンドとは

米国のすべての株式に投資できる投資信託

楽天・全米株式インデックス・ファンド(協会コード:9I312179)は楽天投信投資顧問が設定・運営するインデックスファンドで、アメリカ株式を投資対象とします。

楽天・全米株式インデックス・ファンド | 投資信託・ETFなら楽天投信投資顧問

以下は楽天・全米株式インデックス・ファンドのお金の流れです。

楽天・全米株式インデックス・ファンドの実体は、米国バンガード社の「バンガード・トータル・ストック・マーケット(VTI)」に投資するのみです。そのため、楽天・全米株式インデックス・ファンドは「楽天VTI投信」とも呼ばれますよね。

楽天・全米株式インデックス・ファンドは、ベンチマークに「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」を円換算して採用しています。

Nearly 4,000 constituents across mega, large, small and micro capitalizations, representing nearly 100% of the U.S. investable equity market, comprise the CRSP US Total Market Index.

和訳: CRSP US Total Market Indexは、アメリカの株式市場のほぼ100%に近い、超大型株から小型株まで4000近い企業を含む

出典:CRSP U.S. Total Market Index(英語)

この商品を選ぶメリットとデメリット

様々な商品の中で、楽天・全米株式インデックス・ファンドを選ぶメリットとデメリットは以下の通りです。

★楽天・全米株式インデックス・ファンドを選ぶメリット

  • 世界の資本主義の中心ともいえる米国株に投資できる
  • 楽天・全米株式インデックス・ファンドは米国に広く分散されている
  • 円建て&ドルコスト平均法で投資できる

★楽天・全米株式インデックス・ファンドを選ぶデメリット

  • eMAXIS slim 米国株式(S&P500)に比べ、楽天・全米株式インデックス・ファンドの信託報酬は高い
  • 中小型株にも投資しているため、少しだけボラティリティが高い
  • ETFをマザーファンドにするため、トラッキングエラーが生じやすい

このうち、中小型株も含める効果については、以下の本家VTIの記事でも紹介しています。

【海外ETF】VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケット)についてまとめます
海外ETFの「VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケット)」についてまとめます。 Vanguard Total Stock Market ETF(VTI) | Vanguard VTIとS&P...

よく楽天・全米株式インデックス・ファンドかeMAXIS slim 米国株式(S&P500)で悩むところですが、ここはどうしてもトレードオフ的な関係にあるので難しいですよね。インデックスの原則に基づくと、楽天VTIのほうがより「卵は1つの籠に盛らない」を実践しているとは思っています。

ちなみに、楽天・全米株式インデックス・ファンドを選ぶか、本家VTIを選ぶかも悩むところですが、多くの人は前者を選んだほうが楽だと思います。以下のように、楽天VTIが儲かる可能性があるとの指摘もあります。

驚愕の真実!本家VTIより楽天VTIの方が儲かる!! | トラインベスト

どうしても分配金が欲しい場合には本家VTIでしょうね。

楽天・全米株式インデックス・ファンドと本家VTIとの比較(2021年6月12日時点)
楽天VTI投信VTIへの直接投資
運用する
お金の単位
日本円米ドル
分配金なしあり
最低投資額100円時価で変動
使える
非課税制度
一般NISA
つみたてNISA
ジュニアNISA
iDeCo
一般NISA
ジュニアNISA

シミュレーション

以下で述べるシミュレーション結果は、あなたの将来の運用成績を保証・約束するものではありません

将来シミュレーションと利回り

楽天VTIのベンチマークであるCRSP USトータル・マーケット・インデックスのリスクとリターンを公表していないため、今回のシミュレーションでは、比較的近い「S&P500」のリスクリターン(以下)を使います。

  • 利回り:6.6%
  • リスク:18.6%

出典:S&P 500 (配当込み) (円) | myINDEX(2018年1月末時点)

上記数値に基づき、リスクリターンから楽天・全米株式インデックス・ファンドの将来成績を求めると、240万円の投資に対して426万円(中央値)となります。この時の利回りは5.41%です。

楽天・全米株式インデックス・ファンドの将来シミュレーション
計算回数3,000回
運用年数20年
総投資金額240万円
(1万円 × 12ヶ月 × 20年)
最高額3,001万円
最低額94万円
平均額501万円
中央額426万円
元本割れ確率12.6%

ちなみに、2021年6月現在までの楽天・全米株式インデックス・ファンドの利回りは年14.9%でした。過去の利回りが6.6%だったことを考えると、この利回りはちょっと上出来すぎますね。

楽天・全米株式インデックス・ファンドのパフォーマンス

損失のシミュレーションと実績

楽天・全米株式インデックス・ファンド(厳密にはS&P500)の計算上の「見込み最大損失額」は投資額の31%と求まりました。

楽天・全米株式インデックス・ファンドの見込み損失額
楽天・全米株式
リターン(%)6.6
リスク(%)18.6
見込み最大損失額
(投資額の%)
31

実際、2020年のコロナショックでは36%の下落を記録していて、この計算上の損失と比較的近い値になりました。

楽天・全米株式インデックス・ファンドの下落率

楽天・全米株式インデックス・ファンドはどこで購入できる?

楽天・全米株式インデックス・ファンドはSBI証券や楽天証券など、ネット証券を中心に販売されています。

販売会社一覧 | 楽天投信投資顧問

iDeCoで購入したい場合は?

楽天証券のiDeCoプランにて購入できます

楽天証券(iDeCo)

基本情報

信託報酬など

楽天・全米株式インデックス・ファンドの主な特徴(2021年6月12日現在)
購入手数料0%
(ノーロード)
信託報酬
実質コスト
0.162%
0.179%
信託財産留保額0%
換金手数料0%
運用期限
(償還日)
無期限
(償還なし)
基準価額楽天投信公式
モーニングスター
純資産(ベビー)
純資産(マザー)
2855億円
1.2トリオンドル
SBI証券ランキング
つみたてNISA
設定件数
7位
(2021年5月)

分配金は?

楽天・全米株式インデックス・ファンドは分配金を出さずに運用しています。そのため、投資信託で積み立てる時は「受取」「再投資」のどちらを選んでも問題ありません。

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まとめ

  • 楽天・全米株式インデックス・ファンドはアメリカの全上場企業を投資対象とする投資信託
  • S&P500に比べて、広範に投資しているのが特徴。中小型株を含むために、パフォーマンスは少しボラティリティが大きくなりやすい
  • 計算上は投資額の30%以上の損失を抱える可能性。実際コロナショックでは、36%の下落を経験し、一時的に大きな損失となった

楽天・全米株式インデックス・ファンドは今まで唯一無二のポジションを持ち商品でしたが、SBI・V・全米株式インデックス・ファンドの登場で選択肢も増えてしまい、ますます商品選びに悩みますね。

このあたりは今後の動向に注目です。