私たちは、投資で利潤追求を目指したにもかかわらず、人知れず脱落していった人たちが多数いることを忘れてはいけません。
これは「生存者バイアス」とも呼ばれ、今投資ブログやTwitter等を更新されている方々は、少なからず相場の揺さぶりから生き残っている「生存者」です。
時には失敗者の声にも耳を傾けましょう。
- 不慣れなのに過大なリスクをとりすぎてしまった
- 不十分な理解のまま運用してしまった
- 環境の変化のせいで、投資するお金がなくなってしまった
過去の実績に基づく限りは、愚直に最後までつみたてNISAを続けた者だけがつみたてNISAで祝福される可能性が高いです。
最後に笑って終えられるように、生き残り続けましょう。
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少数の成功者の背景には、多数の脱落者がいる
しばしば語られる話ですが、投資の成功者は「生存者バイアス」の生き残りです。
生存者バイアス(せいぞんしゃバイアス、英語: survivorship bias, survival bias)または生存バイアス(せいぞんバイアス)とは、何らかの選択過程を通過できた人・物にのみを基準として判断を行い、通過できなかった人・物は見えなくなるためそれを見逃してしまうという誤謬である。
投資の成功者は総じて上手い話・魅力的な話を語るわけですが、その背景には人知れず脱落していったケースが多々あることを忘れてはいけません。
いつもさらし者にしてしまって恐縮ですが、以下の記事で引用したコンテンツのように、失敗者の生の声を拾えることは結構稀です。
失敗した者の多くは、いつの間にかブログやTwitterのアカウントを消してしまい、運用の世界から退場します。
極論を言えば、筆者だって、いつかはこの東北投信を消して、運用の世界から姿を消すかもしれません。
「それはないw」と思いますが、将来のことなので確実なことは言えません。
つみたてNISAだってすでに脱落者がいる
これは筆者がTwitterでつみたてNISAの運用者に質問したアンケートの結果です。
#つみたてNISA をやってる方
現在までに一度でも積み立てをやめよう 考えたことある?例えば昨年10月から今年年初の下落などのタイミングで
— Mirai Asset@東北投信🇨🇦 (@instockexnet) 2019年10月13日
★2019年10月までにつみたてNISAをやめたくなったことがある?
- ある:11%
- ない:62%
- 結果のみ:27%
総投票数:259票
投資をやめたくなった理由の1つは、金融商品の値動きの大きさや運用で損を出したことが原因です。
このアンケートだけでは11%の人が全てそうとは言い切れませんが、おそらく2018年秋から2019年初頭にかけての相場でやめたくなった人も結構いらっしゃると予想できます。
おそらく、2018年末に含み損を抱えた時点で脱落した方は結構いらっしゃると思います。
筆者つみたてNISAの損益状況(出典:筆者作成)
2018年からつみたてNISAを始めて、2019年現在も継続できている方は、すでに生存者バイアスの生存者です。
新規の参入者も同じように脱落者と生存者が選別されていくのです。
つみたてNISAの生存者になるためにチェックしよう
というわけで、私たちがつみたてNISAで成功することは、つみたてNISAの生存者になることを目指すのと同じです。
現在、「自分がどのような状況にあるのか」は適宜確認するようにしましょう。
ついつい大金を投資しすぎていないか
投資で儲けようとして、ついつい大金を投資していないかを確認しましょう。
幸いにつみたてNISAの場合には非課税枠の上限(年40万円)があるものの、多くの方はもっと少ない額の投資でも十分かもしれません。
選定した商品の見込み損失額はどのぐらいか
金融危機が発生した際に、今運用している商品はどのぐらい値下がりするのかはチェックしておきたい部分です。
もちろん、過去の状況がそのまま適用できるとは限りませんが、たとえばその資産が半値になった時、75%も値下がりした時にうろたえそうかどうかは考えてみても良いと思います。
なかなか実感が湧かないと思いますが、その積み立てているお金を失ったときに生活は困らないか、と考えてみても良いと思います。
もしも収入が減ったら大丈夫か
金融危機時は経営状態が危なくなる企業も少なからずあります。
その際に、自分自身が今とまったく同じ生活を継続できるのかは考えておいたほうが良いと思います。
リーマンショックを改めて思い出してみる。管理人の暴落体験談 | 氷河期ブログ
将来、つみたてNISAの成功者として祝福されよう
最終的に投資の世界で祝福されるのは生存者だけです。
生き残れなかったものは、他の世界では祝福されるかもしれませんが、投資の世界では祝福されません。
つみたてNISAも最後まで愚直に積み立て続けたものがおそらくもっとも祝福されるはずです。
そのためにも、私たちはいつも「生き残ること」を考え続けましょう。
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まとめ
- 私たちは投資の成功者に注目しがちだが、私たち同様に利潤獲得を目指した多数の脱落者がいることも忘れてはいけない
- 相場の下落に伴う損失の発生は運用をやめたくなる材料になる
- 自身が過剰にリスクをとっていないか、いつもチェックし続けよう。利益獲得を追及するあまりに暴走しすぎないように
現実的に考えると、つみたてNISAでは一度買ったものは非課税期間(20年)が終わるまで持ち続けることで、非課税メリットを最大化できます。
iDeCoと異なり、「一時的に定期預金に退避させ、金融危機が過ぎ去ったらリスク商品に投資」といった運用ができません。
ということは、金融危機にもそれなりに強いと思われるバランスファンドを、敢えてつみたてNISAの主軸に据えるのも一案かもしれませんね。