お問い合わせより、「セゾン資産形成の達人ファンドとeMAXIS slim 米国株式のどちらを買おうか迷っている」という質問をいただいたので、この記事を書くことにしました。
結論から述べると、本記事執筆時点のセゾン資産形成の達人ファンドはインデックスの全世界株式ファンド(楽天・全世界株式インデックス・ファンドやeMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー))でも代替できる商品で、正直どちらを選んでもよいと感じます。
ただ、独立系投信の魅力は運用会社の顔が見えることでもあるので、
- よくわからない人たちには運用を任せたくない
- 運用している人たちの投資理念を大切にしたい
と考える人たちには、セゾン資産形成の達人は選択の価値があります。
なんというか、「他の投資家と一丸になって運用しているんだ」という一体感を味わえるのが独立系投信の魅力だと筆者は考えます。
本商品を購入するなら、セゾン投信に口座を開いたほうが良いと思いますよ!
セゾン投信(公式サイト)
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セゾン資産形成の達人の特徴
セゾン資産形成の達人はセゾン投信が運用するアクティブファンドの1つです。
セゾン投信はいわゆる「独立系投信」の一社で、代表を勤める中野氏はメディアや書籍出版などで活躍されています。
筆者もその昔、中野氏の書籍で投資信託の勉強をさせていただきました!
同社は米バンガード社と提携して運用を行なっているセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドと本ファンドの2本のみを提供しています。
信託報酬や純資産などの基本情報
投資先 | 日本を含む全世界株式 |
ベンチマーク | なし |
購入手数料 | 0% (ノーロード) |
信託報酬 | 1.35% |
実質コスト | 1.48% |
信託財産留保額 | 0.1% |
換金手数料 | 0% |
運用期限 (償還日) |
無期限 (償還なし) |
純資産 | 約823億円 |
つみたてNISA | ○ |
iDeCo | ○ |
※消費税10%対応
マザーファンド
本ファンドは他社が運用する9本のファンドをマザーファンドにする「ファンド・オブ・ファンズ」方式で運用されています。
信託報酬が1.35%と高額である理由は、これら9本の投資対象ファンドに0.91%のコストを支払っているためです。
セゾン資産形成の達人の投資先(出典:https://www.saison-am.co.jp/fund/master/_pdf/prospectus2.pdf)
なお、この投資対象ファンドは固定ではなく、運用とともに見直されることがあります。
というのも、過去にはさわかみファンドやコモンズ30ファンドなど、他社の独立系ファンドを組み入れていたこともありました。
これまでのチャート
セゾン資産形成の達人の基準価額(出典:https://site0.sbisec.co.jp/marble/insurance/dc401k/detail/achievement.do?s_rflg=1&Param6=96312073&_scpr003=insurance:401ksearch:search_result)
2008年あたりで一度停滞しているのはリーマンショックの影響です。
その後は世界的な相場の回復もあって、現在の価格まで値を上げています。
公式サイトのチャートではなぜか2009年以降のチャートしか見せておらず、偶然なのかリーマンショック時の下落を隠蔽したいのかが気になります。
日本を含む全世界株式に投資(2019年6月末時点)
セゾン資産形成の達人の投資先は日本を含む全世界株式です。
2019年10月時点での資産配分は以下のようになっています。
セゾン資産形成の達人の投資先(出典:https://www.saison-am.co.jp/fund/master/_pdf/prospectus2.pdf)
この配分は、よくある全世界株式ファンド(楽天・全世界株式インデックス・ファンドやeMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー))に比較的に似ています。
ただ、上述の全世界株式ファンドに比べると米国株式比率が低く、一方で欧州株と新興国株比率がやや高めです。
おそらくどちらかと言えば、比較的割安な地域(相場が加熱していない地域)を選んでの運用を行なっているのだと予想できます。
以下は、目論見書より引用したセゾン資産形成の達人の騰落率です。
セゾン資産形成の達人の騰落率(出典:https://www.saison-am.co.jp/fund/master/_pdf/prospectus2.pdf)
これを見ると、セゾン資産形成の達人の値動きの大きさは先進国株式以上、日本株式以下(新興国株式以下)であることが分かります。
個人投資家がつみたてNISAで選ぶことの多いMSCIコクサイインデックス連動の投資信託(例えば、eMAXIS slim 先進国株式インデックス)よりもやや値動きの大きい商品だ、ということです。
日本株や新興国株を含む商品は値動きが大きくなりやすいです。
ただ、平均値を見ると分かるように、資産形成の達人は日本株や先進国株の平均リターンを上回っています。
高コストで運用成績が低迷しやすいアクティブファンドの中で、きちんと成績を残してきたからこそ、このファンドが今現在も評価され続けているのです。
最近2年ぐらいの成績を比較
上述の楽天・全世界株式インデックス・ファンドとの運用成績を比較してみましょう。
以下はモーニングスターのデータベースを利用して、セゾン資産形成の達人と類似商品を比較したものです。
セゾン資産形成の達人と楽天・全世界株式インデックス・ファンド、MSCI ACWIとの成績を比較(出典:http://www.morningstar.co.jp/)
- 橙:セゾン資産形成の達人ファンド
- 赤:楽天・全世界株式インデックス・ファンド
- 緑:MSCI ACWI(※オール・カントリーのつもりでご覧ください)
2018年2月の下落では、セゾン資産形成の達人の下落が低く抑えられていますね。
一方、2019年の成績はほぼ他の全世界株式ファンドと変わらないパフォーマンスになっています。
つまり、セゾン投資(や代表の中野氏)の運用理念などに共感など無く、とりあえず利益が出ればよいのであれば、楽天・全世界株式インデックス・ファンドやeMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)でも十分と言えるかもしれませんね。
独立系投信を選ぶかは、運用理念に共感するか
一般に独立系投信は強い運用理念を持っており、そこに共感するかが投資するかどうかのポイントになっています。
運用会社の方が表に出てきて、直接私たちに声をかけることをどう思うか、ですね。
最近は、例えば三菱UFJ国際投信のブロガーミーティングのように、大手運用会社の人たちが投資家の前に出てくる機会もちらほら増えてきました。
しかし、セゾン投信ではこれまで頻繁にセミナーを開催しており、別にブログを書いてなくても(笑)直接話を聞きに行くこともできるのです。
一般に独立系投信のファンドの信託報酬はそこまで低くはありません。
が、その背景には、このような地方開催も含めた頻繁なセミナー開催や、投資家との交流など、私たちに顔を見せるために費用をかけているためでもあるのです。
私はセゾン投信の信念が好きなんです。確かにアクティブファンドがインデックスより利回り上回れるか知らないけど私は応援したいからセゾン資産形成の達人ファンド買ってる。こんな投資家1人世の中にいても良いでしょう。 https://t.co/aGlecj7KcY
— つみたてG(長期投資中)甘味投資家&野球好き投資家【変態動物と仲間たち】ゆるゆるダイエット開始 (@TsumitateG2017) 2019年10月24日
購入できる金融機関
つみたてNISAなら本家サイトで
セゾン資産形成の達人をつみたてNISAで運用するなら、セゾン投信のほかtsumiki証券やゆうちょ銀行などで購入できます。
私はセゾンの2ファンドをTSUMIKI証券で積立購入しています。TSUMIKIだとポイントが貯まるので。でもセゾン投信自体が好きなら直接購入した方が良いとは思います。
私もセゾンは好きですが、敢えてTSUMIKIにしました。— OMEGA オメガ 19-20@つみたてNISA &個別株 (@Naofumi5) 2019年10月24日
iDeCoならSBI証券と楽天証券で購入可能
SBI証券のセレクトプラン、もしくは楽天証券を利用すると、セゾン資産形成の達人をiDeCoで購入できます。
つみGさんだけでなく、私もiDeCoで積み立ててる投信ですな。
販売チャンネルが少ないので楽天証券使ってるうちはつみたてNISAには入れなでしょうけど。#eMAXISSlim先進国株式と折半の状況 https://t.co/d46xDRUG0l— はるか投信 (@Haruka2007Toshi) 2019年10月24日
楽天もイデコ専用です。僕も投資してます。良いですよね。
— FPとサッカー (@IFA_SEIHO_fp) 2019年10月24日
ただ、SBI証券や楽天証券で購入すると、上述の「運用者の顔が見える」メリットは半減するかもしれませんね。
なぜなら、セゾン投信本家に口座を開設することで、運用者向けに提供するサービスがあるはずですから。
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まとめ
- セゾン資産形成の達人ファンドは、セゾン投信のアクティブファンド。2019年6月末時点で全世界株式に投資するインデックスファンドと配分は類似
- 独立系投信の魅力は運用者の顔が見えること。楽天証券やSBI証券のiDeCoでも購入できるが、ぜひ本家で購入してほしい
- 運用理念などに関心が無ければ、著名な全世界株式ファンドなどで代用しても良い
信託報酬は高いものの、パフォーマンスが良い点で魅力的だと思います。
アクティブファンドという性質上、将来も成績が良いとは限りませんが、あなたが「インデックス原理主義」でなければ検討の余地があると思います。
なお、セゾン投信のもう1つの商品は以下の記事で紹介しています。