様々なコンテンツでオススメ投資信託の1つに上がりやすい「世界経済インデックスファンド」。
横山光昭氏のベストセラー書籍「3000円投資生活」でも紹介されていました。
世界経済インデックスファンドについて質問です。
最近、投資信託に興味を持ち色々と見ています。
世界経済インデックスファンドがよくお勧めされていますが1年周りで10%程度下がっていました、モーニングスターですとあまり評価は高くない様に見えます。他の利回りが良さそうなファンドもありますがなぜ世界経済インデックスファンドは人気があるのでしょうか?
この記事では「世界経済インデックスファンドへの投資はなぜオススメ?」「どんな人に向いている投資信託?」を考えます。
筆者は2年ほど前から世界経済インデックスファンドを少しずつ積み立てており、2020年にはちょっとした航空代金相当のお金になりそうです。
2020年はタイに観光に行く予定ですので、この積み立てた代金で航空券を買うかもしれませんね!
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世界経済インデックスファンドの概要
三井住友トラストアセットマネジメント(略称:三井住友TAM)が運用する世界経済インデックスファンド(協会コード:64315091)は、日本を含む先進国と新興国に投資できる商品です。
世界経済インデックスファンド | 三井住友トラストアセットマネジメント
世界経済インデックスファンドには、
- 無印(一番有名なもの)
- 債券シフト(債券比率を75%に高めたもの)
- 株式シフト(株式比率を75%に高めたもの)
以下で述べる「世界経済インデックスファンド」は全て「無印」のことを示します。
信託報酬や純資産などの基本情報
投資先 | 日本・先進国・新興国の株式と債券 |
ベンチマーク | 合成指数 |
購入手数料 | 0% (ノーロード) |
信託報酬 | 0.55% |
実質コスト | 0.604% |
信託財産留保額 | 0.1% |
換金手数料 | 0% |
運用期限 (償還日) |
無期限 (償還なし) |
純資産(ベビー) | 631億円 |
つみたてNISA | ○ |
iDeCo | × |
※消費税10%対応
マザーファンド
出典:https://www.smtam.jp/fund/pdf/_id_140844_type_k.pdf
世界経済インデックスファンドのマザーファンドは6つのファンドから構成されています。
ファンド名 | 投資先 | ベンチマーク | 純資産 | 売買高比率 |
---|---|---|---|---|
国内債券 インデックスマザーファンド |
国内債券 | Nomura BPI | 3791億円 | – |
国内株式 インデックスマザーファンド |
国内株式 | TOPIX | 2059億円 | 0.53 |
外国債券 インデックスマザーファンド |
先進国債券 | FTSE世界債券 | 2438億円 | – |
外国株式 インデックスマザーファンド |
先進国株式 | MSCIコクサイインデックス | 3369億円 | 0.10 |
新興国債券 インデックスマザーファンド |
新興国株式 | JPモルガンガバメントボンド | 456億円 | – |
新興国株式 インデックスマザーファンド |
新興国債券 | MSCIエマージングマーケット | 499億円 | 0.25 |
純資産はどれも巨大で、「純資産が少ないから安定運用が難しい」という問題を抱えることはまずありえません。
三井住友TAMが運営するバランスファンド
世界経済インデックスファンドの魅力は、この投資信託1つで全世界の金融商品(株式と債券)に投資できる点です。
出典:https://www.smtam.jp/fund/pdf/_id_140844_type_k.pdf
世界経済インデックスファンドの主な投資先はアメリカ、日本、EU諸国などです。
世界の有名企業、例えばトヨタ自動車もアップルもアマゾンも全てこの投資先に含まれています。
出典:https://www.smtam.jp/fund/pdf/_id_140844_type_m.pdf
世界経済インデックスファンドは1年に1回程度、GDP比に基づいて、日本・先進国・新興国への投資比率を見直しています。
そのため、「インデックスファンド」の名がつきますが、「つみたてNISA」ではアクティブファンドに分類されています。
出典:https://www.smtam.jp/fund/pdf/_id_140844_type_k.pdf
2019年2月現在のアセットアロケーションは以下の通り。
- 国内株式:5%
- 国内債券:5%
- 先進国債券:30%
- 先進国株式:30%
- 新興国債券:15%
- 新興国株式:15%
アセロラを使ってリスクとリターンを求めると、おおよそミドルリスクミドルリターンなデータになります。
- リターン:3.55%
- リスク:13.67%
- 損失見込み額:投資額の23.8%/年
世界経済インデックスファンドの投資はなぜオススメされているのか
歴史ある優秀なバランスファンドだから
世界経済インデックスファンドは、2009年から運用されている歴史の長いバランスファンドです。
2019年現在、ライバルとなるバランスファンドの多くは2015年以降に設定された若い商品ばかり。
そのため、それ以前の記事を中心に、世界経済インデックスファンドやライバルであるeMAXIS バランス(8資産均等型)(slimではない)が優れている、といったコンテンツを多く目にします。
当時は他に優れたインデックス系バランスファンドが運用されていなかったのです。
しかも、当時評価された背景には、低い信託報酬の割に新興国への投資比率が高い点も挙げられます。
新興国株式に低コスト(0.2%台の信託報酬)で投資できるようになったのもやはりここ数年のこと。
今でこそ、平凡な商品の1つになりつつありますが、世界経済インデックスファンドは画期的な商品だったのです。
2019年現在はオススメファンドなのか?
世界経済インデックスファンドは低コスト化競争では見劣りする水準になってきました。
下記は著名なバランスファンドの信託報酬を比較したもので、最近は0.1~0.2台が当たり前になってきました。
ファンド名 | 信託報酬 |
---|---|
世界経済インデックスF | 0.55% |
eMAXIS slim 8資産 | 0.154% |
iFree 8資産バランス | 0.242% |
加えて、「新興国に格安で投資できる」魅力も薄くなってきました。
2019年現在なら、
- eMAXIS Slim 新興国株式インデックス(0.2079%)
- ニッセイ新興国株式インデックス(0.2079%)
などを独自に組み合わせたほうがお得です。
ここで信託報酬を下げれば話題になるでしょうが、運用会社の三井住友トラストアセットマネジメントは、最近の低コスト化競争に消極的なイメージです。
世界経済インデックスファンドの成績は悪いのか
では、これについて解説。
世界経済インデックスファンドがよくお勧めされていますが1年周りで10%程度下がっていました、モーニングスターですとあまり評価は高くない様に見えます。
投資信託はいつも右肩上がりで儲かる。とは限らない
投資信託の時価(基準価額)は、ファンドが保有する株式や債券の時価評価額で決まるので、株安・債券安といった状況では値下がりします。
投資信託はいつも右肩上がりで儲かる商品とは限りません。
以下は筆者が実際に世界経済インデックスファンドを2年にわたって運用しているもので、上が時価、下が筆者の評価額の推移です。
出典:筆者楽天証券口座
例えば2019年1月は世界的にも株価が下落したタイミングで、世界経済インデックスファンドも値を下げ、筆者の保有分も元本割れになりました。
しかし、その後は株価が戻ってきたため、トータルリターンも再びプラスに戻りました。
世界経済インデックスファンドに限らず、投資信託の運用は値が上がったり下がったりしながら、長い目でみれば値上がりを期待するものなのです。
モーニングスターレーティングは「目安」
「モーニングスターの評価(モーニングスターレーティング)」とは、モーニングスター社が決めた評価基準で、過去3年間、効率的にリターンを得られた投資信託(シャープレシオの高いもの)を高く評価します。
新興国にも投資する世界経済インデックスファンドは、他のバランスファンドよりも価格変動が大きく、「暴れん坊」な成績になりやすい特徴を持ちます。
そのため、安定的にリターンを得る、という観点では劣るので、レーティングは低めなのです。
参考までに、もしも世界経済インデックスファンドに、2009年の設定来から毎月1万円ずつ積立投資を行っていたら、2019年10月6日時点で128万円の積み立てに対し、約172万円(44万円の利益)となっていました。
積立回数 | 128回 |
積立金額 | 1.280,000円 (毎月10,000円 × 128回) |
時価 (2019年10月6日時点) |
1,590,679円 |
評価損益 | +447,971円 |
平均利回り | 5.5% / 年 |
モーニングスターレーティングが悪くても、ちゃんと儲かっているんです。
結局、世界経済インデックスファンドへの投資はオススメなのか
★世界経済インデックスファンドをオススメできる人
- 楽をして運用したい。投資信託の組み合わせ方(アセットアロケーション)を考えることに時間を取られたくない
- 新興国(特にインドや中国など)の成長に期待したい
- 個人投資家の人気の度合いで投資信託を選びたい(最近はちょっと人気落ちてきたけど)
2019年現在、個人的には、世界経済インデックスファンドよりも低コストな「eMAXIS slim 8資産均等」や「iFree 8資産バランス」をオススメします。
中国やインドなど、新興国の成長と株価上昇に期待したい場合に世界経済インデックスファンドを選ぶと良いと思います。
出典:https://www.smtam.jp/fund/pdf/_id_140844_type_k.pdf
購入できる金融機関
ネット証券他、多くの金融機関で
世界経済インデックスファンドを扱う金融機関 | 三井住友トラストアセットマネジメント
世界経済インデックスファンドはネット証券のほか、多くの金融機関で購入可能です。
ポイント還元サービスのあるSBI証券か楽天証券で購入すると、他社で購入するよりもお得です。
iDeCo(個人型確定拠出年金)では購入できません
世界経済インデックスファンドは、iDeCo(個人型確定拠出年金)で購入できません。
iDeCo専用ファンドとして「DC世界経済インデックスファンド」があり、世界経済インデックスファンドとは分けて運用されているからです。
DC世界経済インデックスファンド | 三井住友トラストアセットマネジメント
このファンド、実は三井住友信託銀行でしか購入できず、多くの人は利用する機会がないと思います。
世界経済インデックスファンドをお得に購入するなら、つみたてNISAを通じた積み立てが最適なのです。
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まとめ
- 長らく世界経済インデックスファンドがオススメされていたのは、それまで目立ったライバルがいなかったから
- 世界経済インデックスファンドが値下がりするのは、市場平均そのものが値下がりしたからで、「ファンドの運用が下手だから」ではない
- あなたが投資信託を通じて積極的にリターンを追いたいなら、世界経済インデックスファンドは候補の1つになりうる
余談:3000円投資で貯めた世界経済インデックスファンドの売却代金で海外旅行に行こう
筆者は楽天証券で世界経済インデックスファンドを購入しており、その積み立てた額はおよそ8万円になりました(「3000円投資生活」をやってました)。
グーグルで検索したところによれば、8万円あればバンコクへの往復航空券が手に入るようなので、これはタイ旅行の代金にしてしまうかもしれません。
今後新興国株式の株価が上がれば、プラスでホテル代も出るかもですが、どうでしょうか。
いずれにせよ、積み立ては続けますので、2020年には今よりももっと資産が増えていることでしょう。