「つみたてNISAは毎月積み立てで将来に向けて資産を作る制度」ということで、学資保険との違いやどちらを利用するかと悩んでいる方がいらっしゃるようです。
あなたも、もしかして将来の子供の学費のことを考えたりしていませんか??
本記事では、つみたてNISAと学資保険の特徴を比較し、どういったケースではどちらを選ぶべきか、をあなたと一緒に考えていきます。
ちなみに「学資保険とはなんぞや?」という場合には、以下ソニー生命のウェブサイトをざっとご覧になれば、その用途などが分かると思います。
学資保険・学資プランはこちら。学資金準備スクエア|ソニー生命保険
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つみたてNISAと学資保険は根本的に目的が違うもの
つみたてNISAは不確実性がある。学資保険は確実性を重視する
学資保険 | つみたてNISA | |
---|---|---|
メリット | 必要な現金を確実に準備できる 両親に不幸があっても学費は大丈夫 | 誰でも投資に勝ちやすく設計されている 最大で800万円まで投資可能 |
デメリット 注意点 | 積立額はプランごとに決まる 途中で解約すると元本割れする | 運用に失敗したら元本割れする |
期待利回り | 低い | 高い |
掛け金の変更・停止 | 不可 | 積立額は制限の範囲内で自由に変更可能 途中で一時停止しても良い |
税制メリット | 生命保険料控除 | 運用で得た利益は非課税 (iDeCoのような保険料控除は無い) |
参考:ソニー生命保険 学資保険・学資プランの学資金準備スクエア
最初に述べておくと、つみたてNISAと学資保険はその利用目的が異なります。
- つみたてNISA:長期投資で(基本的に)老後の資産を準備するもの。「長期投資なら投資に勝ちやすくなる」という特徴を生かして、20年という期間が設定されている
- 学資保険:子供の学費を「確実に」用意するもの
筆者はこのように認識しています。
もちろん、つみたてNISAの運用益で子供を大学に入れることも不可能ではありませんが、つみたてNISAは投資である以上、不確実性が付きまとうのがネックです。
もし、大学に入学する年に株式市場が暴落したらどうするの?子供に「投資で損したから、大学は諦めてくれ」と言うの?とよく突っ込まれるところですね。
その点で、学資保険は「確実に」子供の学費を用意するもの。
たとえ、親が不慮の事故で亡くなったとしても、です。
もちろん、つみたてNISAで老後のお金を運用していても、暴落に巻き込まれる可能性はあります。
が、老後のお金なら必要分だけ取り崩しつつ継続運用できる一方、学費の運用に失敗したツケを子供に支払わせるのは本意ではないと思います。
利用できる税制メリット
- つみたてNISA:運用で得た利益に対する税金が非課税になる(積み立てたお金に対する税制メリットは無い)
- 学資保険:生命保険料控除
つみたてNISAは、運用で得た利益にかかるはずの税金(2018年現在で、利益の20.315%)が免除される特典があります。
その代わり、iDeCo(個人型確定拠出年金)のように、掛け金そのものを所得控除にする税制メリットはありません(なので、つみたてNISAには「会社にハガキを提出する」年末調整もありません)。
一方、学資保険は毎月の掛け金を生命保険料控除として利用できます。
年末調整で対象となる生命保険には、学資保険の保険料も含まれています。 学資保険とは、被保険者が死亡あるいは高度障害になった時に、子供の学資を保障する生命保険のことです。(中略)
学資保険の保険料を年末調整で申告するためには、保険会社から送られてくる保険料控除証明のハガキを保管しておく必要があります。学資保険とは別に生命保険にも加入している場合には、両方が保険料となり、年末調整の控除の対象となるのです。
ちなみに、学資保険で受け取った返戻金(へんれいきん)が支払い総額よりも多い場合には課税対象になります。
より儲かるのはどっち?
満額まで利用した場合には、おそらくつみたてNISAのほうが儲かる可能性が高いです。
- つみたてNISA:20年運用した場合に、おそらく投資額の1.2~1.7倍程度になれば運用成功
- 学資保険:ソニー生命の学資保険の場合、返戻率は103.8%~107.2%
例えば、つみたてNISAで満額(800万円)に近い792万円まで運用した場合、利回り3%で運用できると約289万円の利益を期待できます。
ただし、つみたてNISAはリスクを取る投資なので、この金額は上ぶれ or 下ぶれする可能性があることは先に述べたとおりです。
一方、ソニー生命の下記プランによると、月額15,540円を10年間支払う(合計1,864,800円)と、受取学資金総額200万円となります(返戻率:約107.2%)。
これを毎年の利回りに換算すると約1.4%になります。
10歳までに保険料を払い終えて、 大学進学後に毎年学資金が受け取れるプラン | ソニー生命
保険商品でこの利回りは高いと思いますが、株式の平均的な利回りが6~7%程度と言われますので、つみたてNISAで期待できる運用には及びません。
学資保険とつみたてNISA、どちらを使うか
確実性を重視するなら、学資保険
先にも述べたように、子供に「投資で損したから、大学は諦めてくれ」と言わないためにも、確実性を重視する運用は学資保険を利用することをオススメします。
途中で解約さえしなければ、満期までに200万円(または各プランの受取金)になりますので、確実に授業料の支払いなどに充てられます。
失敗してもよい運用なら、つみたてNISA
例えば、すでに子供の学費が現金で貯まっており、運用損が出ても構わないのでしたら、つみたてNISAをオススメ。
株式ファンドに投資するなどして、積極的にリスクを追うと良いと思います。
つみたてNISAは金融庁認定の投資信託のみ選択できますので、長期投資には有利ですが、運用の柔軟性という点ではどうしても劣ります。
もしあなたが、
- つみたてNISAで運用したお金は子供に譲りたい
- 子供の年齢が15~17歳で、つみたてNISAでじっくり長期投資する時間がない
- 年間40万円以上投資できるまとまったお金がある
といった状況であるなら、ジュニアNISAを選択するのも一興だと思います。
ジュニアNISAの場合、金融庁認定の投資信託以外にも多様な商品を選択できますので、例えば
- 比較的リスクの低い、国内社債ファンドで運用する
- 株式やETFを買い、そのまま子供に譲る
などのプランも考えられます。
余力があるなら両方使っても良い
学資保険とつみたてNISAは併用しても問題の無い制度ですので、金銭的余力があるなら、両者を併用することもできます。
例えば、
- つみたてNISA:10,000円 / 毎月
- 学資保険:15,540円 / 毎月(ソニー生命の学資保険の場合)
とすれば、大学の学費は学資保険で、残りの部分はつみたてNISAで貯めるみたいな使いわけもできます。
相場が崩れたとしても、学費だけは守ることもできますね。
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まとめ
- つみたてNISAは大きく儲かる可能性もあるが、元本割れで終わる可能性もある。子供の学費のような大切なお金は学資保険の利用を考えたい
- 学資保険は掛け金が所得控除になる一方、返戻金が掛け金を上回る場合には課税される。つみたてNISAは所得控除にならないが、運用で得た利益は非課税になる
- つみたてNISA以外にもジュニアNISAといった制度もある。運用で将来のお金を作って行くなら、これらの制度は把握しておきたい
投資ブロガーらはこのあたりどう考えているのか、今度情報集めてみたいですね。
きっといろんなアイディアをお持ちでしょうから。