つみたてNISAで購入する投資信託の保護制度に関心をお持ちですか?もしかしたら「つみたてNISAってペイオフの対象?」って思ったりしていませんか。
せっかくつみたてNISAを始めたのに、金融機関が破綻して、財産を失ったら困りますもんね。
結論から述べると、つみたてNISAで購入する投資信託はペイオフとは関係ありませんが、分別管理と投資者保護基金によって守られています(SBI証券も楽天証券も!)。
証券会社でつみたてNISAを始めたほうが良いですよ!
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つみたてNISAとペイオフは関係ないです(つまり対象外)
最初におさらいですが、ペイオフは預金保護のための制度なので、つみたてNISAはペイオフの対象外です。
ペイオフとは、預金保険制度に加盟している金融機関が破綻した場合の、預金者保護の方法のひとつである「預金者への保険金の直接支払い(ペイオフ方式)」のことを言います。取扱金融機関が破綻し、かつペイオフ方式が適用された場合は、一定額まで払い戻しをすることになります。平成17年4月以降は、
1金融機関1預金者あたりの元本1,000万円までと、その利息等が保護の対象となります。保護の基準を超える部分は破綻金融機関の財産の状況に応じて支払われます。
でも、話はこれで終わりではないので、続きも読んでね。
つみたてNISA(投資信託)には投資者を保護する制度がある
つみたてNISAは投資信託を非課税で運用できる制度。この投資信託の運用について、投資家であるあなたを保護する制度があります。
しかも二重の。
その1. 資産の分別管理
あなたが投資信託に投資した財産は、その投資信託を販売する会社、または運用する会社とは別の財産として扱われています。
これを分別管理と言います。
分別管理とは、投資家から預かった資産と、証券会社や信託銀行が保有する自社の資産を分けて管理することです。分別管理が行われることで、証券会社や信託銀行、運用会社が破綻した場合でも、投資家の資産は投資家に返還されます。
分別管理は、法律で定められており、証券会社などには分別管理が義務付けられています。(中略)以前、ある証券会社が倒産した際にも、顧客が預けていた債券や株式、投資信託は証券会社の破綻による目減りはなく、すべて顧客に返還されました。これは、証券会社の資産と投資家の資産がきちんと分別管理されていたためです。
運用会社 or 販売会社が法律を遵守している限りは、どんなに大きな資産を預けていたとしても、その財産は全額保護されることになります。
例えば投資信託を1億円運用していたとして、
- 投資信託ならば:運用会社 or 販売会社が破綻しても1億円の資産は手元に戻る
- 銀行預金ならば:1,000万円とその利息以上の資産は銀行の負債次第
です。
つみたてNISAを20年運用していれば、おそらくその残高は1,000万円を超えるはず。それでも、その財産は金融機関の倒産に影響されずに守られるのです。
その2. 日本投資者保護基金(ネット証券を含む証券会社のみ)
「じゃあ、分別管理が徹底されてなかったらどうなるの?」という場合。この場合には、「日本投資者保護基金」という、投資家保護のための団体が登場します。
この団体は、
- なんらかの事由で分別管理が行われていなかった(そもそも、それは法令違反である)
- 分別管理されていたが、投資家への財産の返却に時間がかかる場合
などに、上限1,000万円までの補償を行います。
私たち、日本投資者保護基金(以下「当基金」といいます。)は、万が一、何らかの事情で証券会社が破綻し、分別管理の義務に違反したことによって、お客さまの資産の返還が円滑に行われない場合には、返還できないお客さまの資産について、当基金がお客さま一人当たり上限1,000万円まで補償を行います。
日本投資者保護基金は証券会社が加入しています。SBI証券や楽天証券など、有名なネット証券ももちろん参加しています。
銀行は対象外!!
ちなみに、日本投資者保護基金に銀行は加入していないため、銀行で購入した投資信託は日本投資者保護基金の補償対象外になります。
Q. 銀行など証券会社以外で購入した投資信託は、日本投資者保護基金の補償対象になりますか。
A. 銀行などの証券会社以外の金融機関は、日本投資者保護基金の会員ではありません。そのため、銀行などでご購入された投資信託は日本投資者保護基金の補償対象にはなりません。(なお、銀行などでご購入した場合でも分別管理は義務付けられています。)
つまり二重の保護が行われている
- 財産の分別管理。
- 分別管理に問題があった場合には日本投資者保護基金による補償(証券会社のみ)
つみたてNISAを利用した投資信託の運用は、実は預金保護よりも手厚いのです!
よくある勘違い:運用で生じた損失の補填制度ではない
分別管理や日本投資者保護基金による補償は、つみたてNISAのサービス提供機関や投資信託を販売・運用する会社の破綻に備えるものです。決して、あなたが投資信託を運用して生じた損失を補償する制度ではありません。
証券会社などの金融商品取引業者が、株式、債券など有価証券の売買で生じた顧客の損失の全部または一部を穴埋めすること。金融商品取引法や日本証券業協会などの自主規制規則で、損失保証・利回り保証、損失補てんの申し込み・約束および損失補てんの実行を禁止しています。
つまり、分別管理で保護されるのは、つみたてNISAで積み立てた投資信託の「口数」であって、運用の結果、生じた損失は補償されない、ということですね。
よくある質問
SBI証券はペイオフの対象ですか?
これまで述べたように、SBI証券はペイオフの対象ではない(そもそも関係ない)ものの、投資家の財産は「分別管理」と「投資家保護基金」にて守られます。
ちなみに住信SBIネット銀行はペイオフの対象です。
楽天証券はペイオフの対象ですか?
楽天証券もまたペイオフの対象ではない(そもそも関係ない)のですが、SBI証券同様に投資家の財産は「分別管理」と「投資家保護基金」にて守られます。
なお、楽天銀行はペイオフの対象です。
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まとめ
- 投資信託はペイオフ(預金保険制度)の対象外。投資信託は預金ではないので
- 投資信託は分別管理にて守られる。分別管理が徹底されていなかった場合、証券会社で買ったファンドならば、日本投資者保護基金の補償対象になる
- 運用で発生した損失は補償されない。運用損を補償するための制度ではない
日本投資者保護基金は証券会社が加入している(銀行は対象外)という点で、つみたてNISAは証券会社で始めるべきです。SBI証券や楽天証券など、有名なネット証券も保護の対象ですから、つみたてNISAを始めるなら、そちらをチェックしてみてはいかがでしょうか。
つみたてNISAのよくある質問は以下よりご覧ください。