ネットを(それなりに)探したものの、MSCIコクサイインデックス(為替ヘッジあり)の年次データが見つからなかったので、日興アセットマネジメントの2つの投資信託
- 日興インデックスファンド海外株式(ヘッジなし)
- 日興インデックスファンド海外株式(ヘッジあり)
を利用して、年次データを読み取りました。厳密には異なりますが、おおよそMSCIコクサイインデックス(為替ヘッジあり)の近似データになりうるだろうってことで、ここに置いときます。
参考までに、儲かったのは当然ヘッジなしのほうですが、ヘッジありはリスクを低減しており、為替ヘッジでリスクを抑えられることを確認しました。
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データ:為替ヘッジ前後のデータセット
先にデータだけおいておきます。求め方は後述します。
なお、このデータはMSCIコクサイインデックス(為替ヘッジあり)と完全に一致するデータではない(近似するが、同一ではない)ので、その点はご注意ください。
年 | ヘッジなし | ヘッジあり |
---|---|---|
2002 | -31.11 | -29.07 |
2003 | 12.33 | 17.01 |
2004 | 9.47 | 7.19 |
2005 | 23.95 | 9.33 |
2006 | 21.63 | 8.97 |
2007 | 4.80 | 1.57 |
2008 | -52.62 | -39.80 |
2009 | 28.49 | 24.21 |
2010 | -2.71 | 10.91 |
2011 | -10.50 | -5.73 |
2012 | 27.97 | 11.88 |
2013 | 47.96 | 22.17 |
2014 | 24.12 | 11.51 |
2015 | -1.11 | 0.57 |
2016 | 4.13 | 9.10 |
2017 | 16.03 | 15.71 |
2018 | -12.32 | -10.52 |
出典:日興インデックスファンド海外株式より読み取った為替ヘッジあり/なしの年次リターン(SBI証券のCSVデータを利用)
目的:為替ヘッジ後のMSCIコクサイインデックスのデータが知りたい!
主な為替ヘッジ付きのMSCIコクサイインデックスに連動する投資信託
あんまり需要はありませんが、MSCIコクサイインデックスに連動する投資信託の中には、為替ヘッジを行なっている商品がいくつか含まれています。
ファンド名 | 為替ヘッジ | 信託報酬 | つみたてNISA | iDeCo |
---|---|---|---|---|
たわらノーロード 先進国株式<為替ヘッジあり> | ○ | 0.216% | ○ | ○ |
iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジあり) | ○ | 0.2052% | ○ | × |
野村インデックスファンド・外国株式・為替ヘッジ型 | ○ | 0.594% | ○ | × |
つみたて先進国株式(為替ヘッジあり) | ○ | 0.216% | ○ | × |
これらが為替ヘッジを行なわないeMAXIS slim 先進国株式インデックスやニッセイ外国株式インデックスファンドとどのくらい違うものなのかを知りたい、ってのが今回の目的です。
為替ヘッジを行なうメリット・デメリット
ちなみに、為替ヘッジを行なうメリット・デメリットは以下の通り。
ファンド名 | メリット | デメリット |
---|---|---|
為替ヘッジあり | 円高に伴う損失軽減 (リスクが下がる) |
円安での利益が減る (リターンが減る) 為替コストがかかる (これもリターンが減る) |
為替ヘッジなし | 円安で利益を得られる (リターンが増える) 為替にコストがかからない (リターンが増える) |
円高での損失がある (リスクが上がる) |
個人投資家の方は為替ヘッジ無しの商品を選ぶことが多いですね。以下の記事を見ても、為替ヘッジ付き商品を運用されている方はいません。
ただ、逆に言えばiFree 外国株式インデックス(為替ヘッジあり)やたわらノーロード 先進国株式<為替ヘッジあり>を調べたときの情報が限定的で、それらの商品を選びたい人たちにとっては必要な情報が供給されていないのでは?とも感じました。そこで、今回調べたいと思ったのです。
データの調べ方・抽出方法
今回は2001年から運用されている2つの投資信託を利用しました。
- 日興インデックスファンド海外株式(ヘッジなし)
- 日興インデックスファンド海外株式(ヘッジあり)
インデックスファンド海外株式(ヘッジなし) | 日興アセットマネジメント
インデックスファンド海外株式(ヘッジあり) | 日興アセットマネジメント
さて、この2つのファンドはそれぞれMSCIコクサイインデックスの円ヘッジなし or 円ヘッジありのデータに連動しています。上述の年次リターンはこの2つのファンドの年初と年末の基準価額から各年の値動きを読み取ったものでした。
出典:日興インデックスファンド海外株式の基準価額(SBI証券のCSVデータを利用)
余談:日興インデックスファンド海外株式ってどう?
日興インデックスファンド海外株式は時代遅れとなった競争力のない商品です。信託報酬が1%近く、つみたてNISA対象でもありません。iDeCoでも選択できますが、他の低コストな同等のファンドを選んだほうが良いと思います。
ヘッジあり・なしの利回りの違いはどのぐらい?
参考までにこの16年間のデータは、以下の通りでした。
ヘッジなし | ヘッジあり | |
---|---|---|
算術平均 利回り |
6.50 | 3.82 |
幾何平均 利回り |
3.34 | 2.24 |
リスク | 23.45 | 16.51 |
より儲かったのは為替ヘッジなしですが、為替ヘッジありはリスクを7%近く下げていて、ヘッジなしよりも相対的にローリスクローリターンでした。
ちなみに個人投資家が実際に運用して享受できるのは幾何平均のほうです。算術平均は各年のリターンを単純にアベレージ関数で算出したものです。
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まとめ
- 2つの日興インデックスファンド海外株式の2002~2018年の運用データを利用して年次リターンを算出
- 厳密には異なるが、MSCIコクサイインデックス(為替ヘッジあり)のそこそこ近似データとして使えるはず
- 為替ヘッジを行なうことで、算術平均で約2.7%利回りが下がったが、リスクも約7%下がっており、為替ヘッジありはヘッジなしよりもローリスクローリターン化することが分かる
今回の話は、以下のファンドのように、同名でヘッジ付き・ヘッジなしのあり海外株式ファンドの比較を考える際にご利用ください。
★同じ名前でヘッジつきとヘッジなし商品がある、主な海外株式ファンド(MSCIコクサイインデックス連動のファンド)
- iFree 外国株式インデックス
- たわらノーロード 先進国株式
- つみたて先進国株式
- 野村インデックスファンド外国株式(Funds-i 外国株式)