「つみたてNISA」での投資先。
もう決めましたか?
私たち現役世代の資産形成のために創設された「つみたてNISA」ですが、制度の開始に合わせて新設された商品がたくさんあります。
そのため、商品の選択肢が増えてしまい、投資初心者にとって商品選びが難しくなってしまった感もあるところです。
今回紹介する「ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)(愛称:ファンドパック3)」も、つみたてNISAの開始に合わせて設定された投資信託の1つ。
「ニッセイ・インデックスパッケージ」というシリーズのうち、株式に投資を行う商品なんです。
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ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)の特徴
ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)はニッセイアセットマネジメントのバランスファンドです。
ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)【愛称:ファンドパック3】 | ニッセイアセットマネジメント
同社の「インデックスパッケージ」シリーズは同社の低コストバランスファンドシリーズで、つみたてNISAの開始に併せて販売も開始されました。
信託報酬や純資産などの基本情報
情報は2019年7月25日現在。
購入手数料 | 0% (ノーロード) |
信託報酬 実質コスト | 0.34992% 0.702% |
信託財産留保額 | 0% |
換金手数料 | 0% |
運用期限 (償還日) | 無期限 (償還なし) |
基準価額 | ニッセイAM公式 |
純資産(ベビー) 純資産(マザー) | 1.2億円 後述 |
SBI証券ランキング つみたてNISA 設定件数 | ランク外 |
残念ながら、純資産が示すとおりに本商品はあまり売れていません。
また、実質コストが以外と高く、つみたてNISAの低コストインデックスファンド(eMAXIS slimシリーズ)に比べると少し競争力がありません。
マザーファンド
ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)のマザーファンドは以下の3本から構成されています。
- ニッセイ外国株式インデックスマザーファンド(1,497億円):先進国株式部分
- ニッセイ新興国株式インデックスマザーファンド(16億円):新興国株式部分
- ニッセイ国内株式インデックスマザーファンド(509億円):日本株式部分
マザーファンドはいわゆる購入・換金手数料シリーズと共有しているため、新興国株式を除くと豊富な純資産が特徴です。
日本・先進国・新興国に均等に投資
ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)は、その投資先が
- 日本株式:33.3%
- 先進国株式:33.3%
- 新興国株式:33.3%
と、均等的に配分されるように投資される商品です。eMAXIS slim 全世界株式(3地域均等型)と同じですね。
投資家であるあなたがニッセイ・インデックスパッケージに投資すると、そのお金は3つのマザーファンドを通じて国内外の株式に投資されます。
その運用で得た損益がマザーファンドを通じて、ニッセイ・インデックスパッケージに反映され、あなたの損益になります。
複数の資産クラスに投資しますので、ニッセイ・インデックスパッケージはバランスファンドの一種に分類されます。
日本株式への比率の高さはハイリスクな部分ともいえる
判断が分かれるのは、日本株式の比率が約3割と比較的高くなっている点です。
よく、「日本はバブル崩壊以降、いまだに最高値を更新できないから投資すべきではない」との意見を見ますが、これは間違いです。
最高値を更新できていないのは事実ですが、下記図が示すように日本に投資してもちゃんと利益は出たのです。
投資の利益は必ずしも最高値を更新し続けなくとも出ますし、だれも期待していないところで値上がりするからこそ、大きな利益になるのです。
出典:myINDEXのデータを用いてアセロラで作成
本商品の場合、全世界株式型のファンドに比べると日本を高い比率で保有しますので、その分だけ日本株式の変動の影響を受けやすくなります。
JPモルガンAMの超長期マーケット予測2019では、今後15年程度の日本株式の幾何リターンを5%と見積もっており、一般的な先進国株式よりも高いリターンになる可能性があります。
しかしこれは、多くの投資家が日本市場の株式に期待していないことの反映でもあり、そういう意味で日本市場はかなりリスクの高い市場なのです。
正解は将来蓋を開けてみなければわかりませんが、少なくとも「日本が入ってるからダメ」という安直な意見には注意したほうがいいです。
ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)に毎月1万円を投資したらいくらに
20年後の運用予測
アセロラを使って将来を予測してみましょう。アセロラの元データはJPモルガンアセットマネジメントの超長期マーケット予測2019を利用しています。
3地域均等型 | |
---|---|
リターン | 5.25% ※信託報酬は考慮せず |
リスク | 18.76% |
1年間の見込み損失額 | 投資額の32.3% |
※JPモルガンAMの超長期マーケット予測2019のデータを利用
ここでは、毎月1万円を20年間積み立てた場合の将来予測を求めてみました。以下で述べる結果は、あなたの将来の運用成績を保証しませんので参考程度にご利用ください。
各種シミュレーション:20年後の予想成績は?
出典:JPモルガンAMの超長期マーケット予測2019のデータを利用しアセロラで算出
出典:JPモルガンAMの超長期マーケット予測2019のデータを利用しアセロラで算出
この計算では、240万円(毎月1万円 × 12ヶ月 × 20年)の積み立てに対し、中央値で371.8万円、平均431.3万円の運用成績になりました。うまく行けば、20年で投資額の1.5倍~2倍近くに達する可能性があります。
一方、20年後の元本割れの確率は18.5%でした。(個人的には)この結果は、少し楽観的な気がするもので、実際にはもうちょっと元本割れで終わる確率は高い気がします。繰り返すように、日本株式と新興国株式は不確実性の高い市場ですから、eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)などよりも判断が難しいと思います。
購入できる金融機関
つみたてNISAで購入できる金融機関
ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)を購入できる金融機関は以下の通りです。
- SBI証券
- 楽天証券
- マネックス証券
- 松井証券
- auカブコム証券(旧:カブドットコム証券)
- 光世証券
楽天カードを使って積立投資すると楽天スーパーポイントが付与されるのでお得ですが、そもそもあまり売れてないので買いにくい点はあると思います。
iDeCoでは購入できません
iDeCoでニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)を扱う金融機関はありませんでした。
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まとめ
- ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)は日本、先進国、新興国の株式に3分の1ずつ投資するバランスファンド(複合ファンド)
- 過去の情報に基づく限り、ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)はハイリスクハイリターンな成績になりやすいと予想
- 「つみたてNISA」開始にともなって新設された投資信託なので、認知度が乏しく、ほとんど売れていない点がリスク
バランスファンドではあるけども、比較的攻撃的な組み合わせの投資信託です、ということで。
実際に投資する機会は「どうかな?」と思うところです。