「eMAXIS slim 全世界株式(3地域均等型)」の魅力を解説します。日本株式、先進国株式、新興国株式の3つの資産に均等に投資しており、あまり例を見ないアセットアロケーションが特徴的です。
結論から述べると、eMAXIS slim 全世界株式(3地域均等型)は商品のコンセプトが優れているものの、純資産が少なくて買いにくいという問題があります。新興国株式や日本株式の時代が来たら、eMAXIS slim 全世界株式(3地域均等型)は光り輝くと思いますよ!
以下、一緒に商品性を見ていきましょう。
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eMAXIS slim 全世界株式(3地域均等型)とは
eMAXIS slim 全世界株式(3地域均等型)(協会コード:03312184)は、三菱UFJ国際投信が運用する、つみたてNISA対応の投資信託です。
eMAXIS slim 全世界株式(3地域均等型) | 三菱UFJ国際投信
基本情報
購入手数料 | 0% (ノーロード) |
信託報酬 実質コスト |
0.15336% – |
信託財産留保額 | 0% |
換金手数料 | 0% |
運用期限 (償還日) |
無期限 (償還なし) |
基準価額 | 三菱UFJ国際投信公式 モーニングスター |
純資産(ベビー) 純資産(マザー) |
11億円 – |
SBI証券ランキング つみたてNISA 設定件数 |
– |
日本・先進国・新興国の株式に3分の1ずつ投資
出典:eMAXIS slim 全世界株式(3地域均等型)の資産配分。
eMAXIS slim 全世界株式(3地域均等型)とは日本株式、先進国株式、新興国株式の3つの資産に均等に(3分の1ずつ)投資する投資信託です。この3地域均等型のアセットアロケーションは「日本株式・先進国株式・新興国株式のどれが将来値上がりするかわからない・お互いの相関もどうなるかわからない」という合理的な配分です。
例えば、2020年現在、「(特に儲かっている)アメリカ株の比率が少ないのはおかしい」って思ったりしませんか?
しかし、そう思う時点で過去のイメージに引っ張られています。
私たちは10年後、20年後といった将来を見据えて投資するわけで、その時まで特定の資産が儲かり続けているとは限らないのです。その点で、3地域均等型は過去や現在との結びつきが弱く、過去のイメージに引っ張られていない点が魅力なのです。
ちなみに正確な比較ではありませんが、時価総額の全世界株式と3地域均等型を1987年以降で調べた記事もあるので、良かったらご覧ください。
しかし思ったより売れていない
出典:ブロガーミーティング資料
2018年9月に行なわれたブロガーミーティングでは、3地域均等型は「売れなかった商品」との扱いでした。実際、2018年1月から8月までのeMAXIS slim シリーズの資金流入比率を見ると、3地域均等型はslimシリーズ全体の1%にとどまります。
「除く日本」は歓迎する声が聞こえてきますが、「3地域均等型」の方は狙いが伝わっていないのか、あまり反応が聞こえてこないですね。
この引用が示すように、3地域均等型の狙いが伝わってないんでしょうね。
20年後の予測
3地域均等型 | |
---|---|
リターン | 5.25% ※信託報酬は考慮せず |
リスク | 18.76% |
1年間の見込み損失額 | 投資額の32.3% |
※JPモルガンAMの超長期マーケット予測2019のデータを利用
毎月1万円をeMAXIS slim 全世界株式(3地域均等型)に20年間積み立てた場合の将来予測を求めてみました。以下で述べる結果は、あなたの将来の運用成績を保証しません。
この計算では、240万円(毎月1万円 × 12ヶ月 × 20年)をeMAXIS slim 全世界株式(3地域均等型)に積み立てることで、中央値で371.8万円、平均431.3万円の運用成績になりました。
一方、20年後の元本割れの確率は18.5%でした。
結局、買いなの?
eMAXIS slim 全世界株式(3地域均等型)は事実として売れ行きが悪いことから、積極的に選びにくいと思います。例えば、つみたてNISA初心者がeMAXIS slim 全世界株式(3地域均等型)を買ったとしても、話を共有できる人がいないのではないか?と感じます。
それらを勘案すると、少なくとも初心者はもっとオーソドックな商品(eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)やeMAXIS slim バランス(8資産均等型))をオススメしたいです。
購入できる証券会社
つみたてNISAでeMAXIS slim 全世界株式(3地域均等型)を購入したい場合、以下の金融機関をお使いください。
- 岩井コスモ証券
- SMBC日興証券
- SBI証券
- 岡三オンライン証券
- auカブコム証券(旧:カブドットコム証券)
- 松井証券
- マネックス証券
- 楽天証券
一方、iDeCoではeMAXIS slim 全世界株式(3地域均等型)を購入できません。
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まとめ
- eMAXIS slim 全世界株式(3地域均等型)は日本・先進国・新興国の3地域に3分の1ずつ投資
- 「将来はわからない」との前提で運用するため、過去との結びつきの弱さがメリット
- 3地域均等型に1万円を20年間投資すると300万円を超える程度になりそう。1年間で32%の下落を経験する可能性もあるので、「できるだけ損失を減らしたい」なら別の商品を
商品のコンセプトは良いものの、純資産が伸び悩んでいる点が課題ですね。eMAXIS slim 全世界株式(3地域均等型)はそのあたりの事情を踏まえて投資出来る人向け、だと思います。