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全世界株式はGDP比率と時価総額比率のどちらがいいの?

The GDPのアセットアロケーション商品を選びたい

2020年4月1日に「グローバル株式ファンド(The GDP)」がつみたてNISA対象商品に追加されました。この商品はGDP比率で全世界株式に投資しており、eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)たわらノーロード全世界株式などの時価総額比率の全世界株式ファンドと資産配分が少し異なるのが特徴です。

グローバル株式ファンド | スカイオーシャン・アセットマネジメント

今回はこのどちらが良いのか判断すべく、GDP比率の全世界株式と、一般的な時価総額比率の全世界株式の比較を行いました。その結果、前者のほうがややハイリスクハイリターンな特徴だと紹介しています。

将来的にどちらが良いかは「神のみぞ知る」ところですが、この比較においては、個人的には時価総額比率(つまり、オール・カントリーなど)で十分だと思ってます

なお、他の全世界株式の記事は以下よりご覧ください。

「全世界株式」クラスの解説
「全世界株式」は日本やアメリカ、中国など世界中の国の株式(国内株式、先進国株式と新興国株式※日本を除く場合あり)の3つを合わせた資産クラスです。たった1つで世界中の株式に広く分散投資できるメリットがあ...

では、一緒に詳しく見ていきましょう!

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GDP比と時価総額加重比率。比較してみた

時価総額比率とGDP比率でどう違うの?

一般的な時価総額加重比率のアセットアロケーションと、GDP比率のアセットアロケーションでは主に先進国株式と新興国株式の組み入れ比率が違います。

まずは「グローバル株式ファンド(The GDP)」

The GDPのアセットアロケーション

出典:https://www.soam.co.jp/file/100010100010/100010_moku_k.pdf

次にオール・カントリー。

オール・カントリーのアセットアロケーション

出典:https://emaxis.jp/pdf/koumokuromi/253425/253425_20200125.pdf

GDP比率のほうが新興国株式の割合が多くなりますよね。今回はこれがどう違うのか、と検証してみた話です。

リーマンショック以降~2020年

GDP比率で作った全世界株式と一般的な時価総額加重比率の全世界株式のパフォーマンスを比較すべく、ここでは野村アセットマネジメントのFunds-iシリーズの基準価額を利用して過去のパフォーマンスを求めてみました。各資産配分は以下の通り。

資産配分
株式時価総額加重比率GDP比率
日本7%6%
先進国81%54%
新興国12%40%

時価総額加重比率の全世界株式は資産配分の大部分が先進国株式(というか、米国株式)になるのに対し、GDP比率の場合には新興国株式が40%占める点で特徴的です。

というわけで、さっそくグラフを紹介。

GDP比率全世界株式 vs 時価総額比率全世界株式

出典:SBI証券の基準価額を利用して筆者作成

★凡例

  • 青:GDP比率
  • 橙:時価総額比率

GDP比率全世界株式 vs 時価総額比率全世界株式の下落率

出典:SBI証券の基準価額を利用して筆者作成

★凡例

  • 青:GDP比率
  • 橙:時価総額比率

全体的には時価総額加重比率の全世界株式のほうがリターンが高く、下落率も抑えられている結果になっています。GDP比率にすると、新興国株式のウェイトが高くなるため、やや価格変動(ボラティリティ)が大きくなってしまうのがデメリットです。

以下は、時価総額加重比率とGDP比率の比を取ったもので、2016年頃(チャイナショックで株安になった頃)までは、時価総額加重比率のほうがパフォーマンスで差をつけています。

GDP比率全世界株式 vs 時価総額比率全世界株式のパフォーマンスの比率

今後中国を中心とした新興国株式が大幅に株価を上げない限りは、この差はさらに拡大するかもしれませんね。

リーマンショック以前~2020年

全世界株式の指数のデータを引用して紹介します。青いライン(MSCI ACWI GDP Weighted)がおおよそグローバル株式ファンド(The GDP)に相当するとお考え下さい。

MSCI ACWI GDP WEIGHTED

出典:https://www.msci.com/documents/10199/a195824c-2ec7-488b-96c2-7d840a7a9186(pdf)

リーマンショック前には、GDP Weightedが高いパフォーマンスを出していました。これはちょうど新興国株式ブームの時ですね。

GDP比率と時価総額加重比率。判断のポイント

GDP比率と時価総額加重比率の解釈の違い

単刀直入に言えば、現在の株価は正しくない(新興国株式が過小評価されている or 先進国株式が過大評価されている)と考えるなら「グローバル株式ファンド(The GDP)」を選びます。一方、先進国株式も新興国株式も、現在の株価は正しいと考えるならeMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)たわらノーロード全世界株式を選ぶことになります。

その理屈は以下の通りです。

インデックス投資のベースにあるのは「現代ポートフォリオ理論」です。現代ポートフォリオ理論では「時価総額加重比率(時価加重ポートフォリオ)」は現在の株価が正しいことを前提にしています

時価加重ポートフォリオが最適ポートフォリオである(P.7)

【前提】
(1)投資家はリスク回避的であり、期待効用の最大化を望む
(2)投資家は期待投資収益率とその分散に基づいてポートフォリオを選択する
(3)投資期間は全投資家に共通であり、かつ、1期である
(4)投資家は無リスク利子率で無制限に借入れや貸出しができる
(5)投資家はすべての利用可能な情報を完全に知っており、個々のリスク資産のリスクとリターンについて同質的期待を持つ
(6)税金や取引コストのない完全市場である

ある瞬間の株価は「知り得る情報を持ち、期待効用の最大化を望む合理的な市場参加者が均衡させている“正しい価格“である」と理解される

その“正しい価格”を壊さないように唯一のポートフォリオを全知全能の合理的投資家が構築するのである。ポートフォリオのウェイト構成については、すべてのリスク資産の時価総額ウェイトでそのままコピーしないと、“正しい価格”が壊されてしまうことになる。ゆえに、すべてのリスク資産を時価加重ポートフォリオで保有することが最適であると結論付けられた。

出典:一歩踏み込んだファンダメンタルズ運用 | 日興アセットマネジメント(pdf)

言い換えると、現在の株価の評価が正しくないと考える場合には、時価総額比率ではなく、より正しいと思うものを選ぶことになると思います。

今回のケースの場合、「グローバル株式ファンド(The GDP)」は、GDP比で見た場合に、新興国株式の株価が過小評価されている(or 先進国株式の株価が過大評価されている)という判断を加えていることになります。

改めて、時価総額比率とGDP比率の資産配分を見てみましょう。時価総額比率は新興国株式の割合が12%しかありませんが、GDP比率ではそれを40%まで引き上げています。

資産配分
株式時価総額加重比率GDP比率
日本7%6%
先進国81%54%
新興国12%40%

経済の規模で言えば、GDP比のほうが自然ですが、実際の株価ベースでは新興国株式の割合はかなり小さくなっているのです(詳しいGDP比は以下のサイトをご覧ください)。

世界経済勢力図の現在・過去・未来 | ニッセイ基礎研究所

新興国株式は必要なの?

結局のところ、この話は新興国株式に投資は必要なの?という話に着地します。

つみたてNISAで新興国株式への投資は必要なのか?
「つみたてNISAで新興国への投資は必要なのか?」 これは筆者も疑問に思ってたところなので、一緒に考えてみたい話題です。 経済成長すれば株価も上がるでしょ? 人口増えれば株価...

一般に「経済が成長すると株価は上がる」とは言われますが、上記記事でも示したように「経済成長率が大きいほど株式のリターンも高い」とは限らないのが難しいところです。

新興国株式の投資は賛否分かれるところです。

★新興国株式への投資賛成派の意見

  • 中国やインドなどは将来の大きな成長を期待できる
  • 新興国は人口が多く、大きな消費を期待できる

★新興国株式への投資反対派の意見

  • 新興国の人たちもアメリカの商品やサービスを使っている
  • 新興国は独特の政治体制がリスクになる

なお、過去のパフォーマンスを見る限り、新興国株式は価格変動の大きい市場です。先ほど引用したMSCI ACWI GDP Weightedによれば、時価総額比率のもの(MSCI ACWI)に比べ、リターンもリスクも高まっています。その点で、GDP比率で全世界株式に投資するほうが上級者向きです。

MSCI ACWI GDP WEIGHTEDのリターンとリスク

出典:https://www.msci.com/documents/10199/a195824c-2ec7-488b-96c2-7d840a7a9186(pdf)

結局のところ、この2つだけで見れば、普通の時価総額比率のものでもよいかなと思うところです。すなわち、グローバル株式ファンド(The GDP)よりかはeMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)やたわらノーロード全世界株式でよい、という判断です。

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まとめ

  • スカイオーシャン・アセットマネジメントの「グローバル株式ファンド(The GDP)」では、GDP比率で全世界株式に投資できる
  • 一般的にGDP比率で全世界株式のアセットアロケーションを作ると、新興国株式の割合が多くなる
  • 新興国株式の割合が多くなると、ハイリスクハイリターンになりやすい。大きな価格変動に耐えられる上級者向けの商品になる

ちなみに「グローバル株式ファンド(The GDP)」は今のところ限られた銀行でしか買えないんですけど、これから販売拡大するんですかね?

またしても、超ニッチなネタを記事にしてしまった気がします。。。

なお、他の全世界株式の記事は以下よりご覧ください。

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