全世界株式と8資産均等型はどっちがいい?

3. 商品選択と組み合わせ




全世界株式と8資産均等型はどちらがいいんですか?」と質問を頂いたので、バックテストしてみたのがこの記事です。最終的な良し悪しは個人の感じ方や投資方針で決まると思うんですが、「値上がり狙いなら全世界株式、短期的な損失を抑えるなら8資産均等型」というお話になります。

興味深い点として、8資産均等型は短期的な下落は抑えるんですが、下落からの回復まで考慮すると全世界株式のほうが優位に見える場合もあります。値動きを抑えると、今度は元本割れが続きやすいというちょっと困った話になるのが判断を難しく感じるところです。

以下、詳しく解説しますね。

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バックテストから特徴を見る

今回はeMAXISシリーズ(スリムではないほう)の投資信託のパフォーマンスを使って、全世界株式と8資産均等型の運用成績差などを見ていきます。設定時期が2011年以降なのでリーマンショック以降ではあるんですが、傾向は見えるかと思います。

★今回使ったデータ

  • eMAXIS 全世界株式(除く日本)
  • eMAXIS バランス(8資産均等型)

では、さっそく両者のパフォーマンスを見ていきましょう。

eMAXIS 全世界株式(除く日本)とeMAXIS バランス(8資産均等型)のパフォーマンス(2011年基準)

この図を見ると、「8資産均等型よりも全世界株式が値上がりしやすい」という当たり前の結論になりますね。なので、もうちょっと深堀してみます。

以下は、2つの投資信託の下落率(ドローダウン)を見たものです。下側に振れるほど、より大きな下落を示します。

eMAXIS 全世界株式(除く日本)とeMAXIS バランス(8資産均等型)のパフォーマンス(下落率)

この図を見ると、「8資産均等型は全世界株式よりも下落しにくい」という結論になりますね。8資産均等型には日本国債や先進国債券も含まれますので、REITが含まれるとはいえ、全体の値動きは全世界株式よりも抑えられています。

ただ、この図で注目すべきは、「下落から最高値に回復するまでの期間は、8資産均等型も全世界株式もさほど変わらない」点かもしれません。コロナショックの下落に至っては、全世界株式のほうがより早く回復していて、8資産均等型は少し時間がかかっています。

下落を抑えられたからといって、最高値への回復が早いとは限らないのが興味深いですね。

「運の悪い投資家」の成績に注目

今度は保有期間リターンで比較してみます。以下のグラフは2011年から2021年までのどこかで一定年数一括投資した時、もっとも運用成績が悪かった時の利回りをつないだものです。

eMAXIS 全世界株式(除く日本)とeMAXIS バランス(8資産均等型)のパフォーマンス(保有期間リターン。最低利回り)

保有年数が1年の時、全世界株式の最低利回りは8資産均等型よりも低くなりました。しかし、3~4年程度保有すると、どんなに悪い状況でも全世界株式は8資産均等型の利回りを上回りました。上昇相場が続いたという点は考慮すべきだと思いますが、これって結構意外じゃないですか?

ちなみに同じ期間中の一括投資で、元本割れに終わる確率は以下の通りです。意外にも8資産均等型のほうが元本割れ率がちょっと高めになっています。

eMAXIS 全世界株式(除く日本)とeMAXIS バランス(8資産均等型)のパフォーマンス(元本割れ確率)

この結果をまとめると「値動きを抑えた商品は短期的な下落は抑えられるものの、長期的には利回りが低くなる分だけ元本割れもしやすい」という話になっちゃうんですよね。

個人的には、それでも債券などを適度に加えることを支持しますが、割と判断に悩むところかなぁとは思います。

結局のところ、どっちがいいの?

他の例に漏れず、これもトレードオフではあるんですが、以下のような結論になるかと思います。

★全世界株式と8資産均等型のどちらがよい?

  • リターン重視なら全世界株式。短期的には大きく損を出す可能性がある点に注意
  • リスク回避なら8資産均等型。長期的には少し利回りが低い分だけ回復が遅れる可能性がある点に注意

2020年の8資産均等型は、3月の下落は抑えられたものの、その後の値上がりが米国株に劣ったため、SNSでいろいろ言われていたように思います。あの値動きは8資産均等型のメリットでもあって、デメリットでもありますね。

ちなみに、そのような特徴があっても、わたしは8資産均等型は好きですよ!

均等ウェイトは「将来は何もわからない」というスタンスの商品ですし、個人的には短期的な損失の回避を重視したいと思うからです。

別に時価総額ウェイトが嫌いとは言ってない。

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まとめ

  • eMAXISシリーズの全世界株式と8資産均等型の過去のパフォーマンスを比較
  • リターン重視なら全世界株式。短期的には大きく損を出す可能性がある点に注意
  • リスク回避なら8資産均等型。長期的には少し利回りが低い分だけ回復が遅れる可能性がある点に注意

余談ですが、おそらく多くの場合で8資産均等型は全世界株式よりも高シャープレシオな運用ができるかと思います。シャープレシオが高いほど、将来の着地点のブレが小さくなりますので、運用結果を予想しやすくなります。

「投資するお金の性格」によって、全世界株式と8資産均等型(または他のバランスファンド)の上手い使い分けができたら、お金を増やしながら将来に備えられるんじゃないかなぁと思います。

もちろん、リスクを取りすぎないようにしたいですね。