以前はeMAXIS slim の全世界株式(オール・カントリー)と除く日本を比較し、「リターン重視なら日本株は外したほうがいい(少なくとも過去はそうだった)」という話題を紹介しました。
今回は別の商品として、SBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま全世界株式)をeMAXIS slim の全世界株式との比較に使ってみます。
結論から述べると、SBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま全世界株式)はちょっと曲者です。全世界株式相当のパフォーマンスは出るものの、インデックスファンドとしての性能はイマイチなので、選びにくい点があります。
もし、SBI証券のiDeCoで「除く日本」と「雪だるま全世界」で迷ってるなら、「除く日本」でも良いかもしれませんね。
以下、詳しく見ていきましょう!
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eMAXIS slim 全世界株式とSBI全世界株式(雪だるま)の成績比較
結論から述べると、米国株が強い状況では除く日本がSBI・全世界株式インデックス・ファンドを上回ります。
今回はeMAXIS slim 全世界株式(除く日本)とSBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま全世界株式)の設定後の運用成績を比較してみました。参考のために、雪だるま全世界と同じベンチマークを採用している楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)も比較対象に加えています。
基本的に除く日本の成績が良くなるのは以前の記事でも紹介した通りです。これは除く日本は日本株を除くことで、相対的に高パフォーマンスな米国株の比率を高めているためです。
米国株の調子が良い時はACWI ex JP(全世界株式(除く日本))の成績が上回り(パフォーマンスが上方向にのびる)、米国株の調子が悪い時はACWI(全世界株式)の成績が上回る(パフォーマンスが下方向に伸びる)との関係が見えます。
この期間でSBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま全世界株式)の運用成績が良かったのは、ちょうど巣ごもり相場が終わり、バリューな銘柄が強かった2020年8月~2021年4月頃でした。
ちなみに下落率で見ると以下の通り。
よく似ていますが、時々少し差がついてますね。
雪だるま全世界株式を選びにくい理由
さて、SBI・全世界株式インデックス・ファンドは商品的に少し不安があります。3つのETFをマザーファンドに使うため、ベンチマークの運用と乖離が大きいのです。
そのため、パフォーマンスを抜きに、インデックスファンドの性能の良し悪しでは積極的に選びにくい商品です。
今回比較に用いた楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)とのパフォーマンス差を見ると、「SBI・全世界株式インデックス・ファンドが低コストにも関わらず、同じベンチマークの楽天VTに負けている」のがわかります。
これはベンチマークと実際の運用で投資国の比率が異なっている(要するにトラッキングの問題)である可能性があります。
という理由から、eMAXIS slim の全世界株式(オールカントリーも除く日本も)とSBI・全世界株式インデックス・ファンドで迷った時は、eMAXIS slimから選んだほうが、性能の良いファンドを選べます。
iDeCoで悩む点かも。。
冒頭で述べたように、この選択はSBI証券のiDeCoで迷うところかもしれませんね。
SBI証券で雪だるま全世界株式を選ぶよりかは、楽天証券で楽天VTなどを選んだほうが良いと思いますが、不思議と「iDeCoはSBI証券がいい」みたいな話になってる気がします。
オルカン目当てでSBI証券に申し込んだら、実は除く日本でオルカンじゃなかったって方も結構いらっしゃると思います。そこで、「除く日本か雪だるま全世界株式か」の選択にぶち当たるわけですね。
もし、「除く日本」と「雪だるま全世界」で迷ってるなら、除く日本でも良いかもしれませんね。私たちは既に日本の資産(円預金や円建て保険など)を持っているという観点から。
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まとめ
- eMAXIS slim 全世界株式(除く日本)とSBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま全世界株式)を比較
- SBI・全世界株式インデックス・ファンドは運用の仕組み上、ベンチマークからの乖離が大きい可能性。インデックスファンドの性能としてはあまりよくない
- SBI証券のiDeCoの全世界株式で迷っているなら、除く日本でも良いかもしれない
今回、投稿で紹介したeMAXIS slim 全世界株式(除く日本)は以下の記事にて解説しています。
もし米国株とどちらが良いか迷ってましたら、以下の記事もご覧ください。