先進国株式と全世界株式のどちらを選べばいい?

3. 商品選択と組み合わせ




結論から述べると、この記事では全世界株式をオススメしたいと思います。

今回は高齢化や産業の変遷などのファンダメンタル的な話は抜きに、2018年から2021年までのパフォーマンスの推移だけを見て、全世界株式と先進国株式のパフォーマンスをチェックします。

実は全世界株式と先進国株式のパフォーマンスは景気との連動性があり、

★先進国株式と全世界株式は景気の強弱でパフォーマンスが変わる

  • 景気が弱い時に強いのは先進国株式
    →景気後退期の値下がりに強い
  • 景気が強い時に強いのは全世界株式
    →景気拡大期の値上がりに強い

との関係があります。

ただ、最近はSNSを中心に「米国株か全世界株か」という軸ができてしまったので、話題が少ないという意味で先進国株式は選びにくい状況にあるようにも思います。もし、みんなと同じが良ければ、全世界株式を選ぶのが良いかもしれませんね、ってお話を紹介します。

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以下、詳しく見ていきましょうー!

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2021年までのパフォーマンスを比較してみる

今回はeMAXIS slimシリーズの基準価額を用いて、先進国株式(eMAXIS slim 先進国株式インデックス)と全世界株式(eMAXIS slim 全世界株式(オールカントリー))のパフォーマンスを比較してみました。

なお、全世界株式は新興国株式の影響も受けるので、1枚目だけ新興国株式(eMAXIS slim 新興国株式インデックス)の成績も一緒に載せています(新興国株式の変化に応じて、全世界株式と先進国株式の成績差ができているのがわかるかと思います。特に最近の相場)。

eMAXIS slim 先進国株式とeMAXIS slim 全世界株式(オールカントリー)の成績を比較したもの

これだけ見ると、eMAXIS slim 先進国株式がオルカンを上回ってますね、で終わってしまうので、もうちょっと細かく見てみます。

eMAXIS slim 先進国株式とeMAXIS slim 全世界株式(オールカントリー)の成績の差分を取ったもの

上図において、橙線が上向きの場合は先進国株式 > 全世界株式(オールカントリー)、下向きの場合は先進国株式 < 全世界株式(オールカントリー)です。先進国株式と全世界株式の違いは新興国株式を含むかどうかですので、先進国株式が上回る時は新興国株式の成績が悪く、先進国株式が下回る時は新興国株式の成績が良い状況です。

例外もありますが、米10年債の金利下落局面では先進国株式が強く、金利上昇局面では新興国株式を含む全世界株式が強い傾向にあります。これは下記の図が示すように、景気が好況でインフレが強く意識される局面(橙色のバー)では新興国株式が先進国株式(米国株や欧州株)以上に強く、景気減速局面(水色のバー)では新興国株式よりも先進国株式(米国株や欧州株)が強いことと関連しています。

世界経済の景気・インフレの状況と各資産クラスのパフォーマンス

出典:Guide to the Markets | JPモルガンアセットマネジメント

この傾向が将来も同じ傾向だとすれば、

★先進国株式と全世界株式は景気の強弱でパフォーマンスが変わる

  • 景気が弱い時に強いのは先進国株式
  • 景気が強い時に強いのは全世界株式

との関係を期待できることになります。

ちなみに基準価額の下落率を見てみましょう。

eMAXIS slim 先進国株式とeMAXIS slim 全世界株式(オールカントリー)の成績を比較したもの(基準価額の下落率)

相場状況にもよりますが、全世界株式のほうがやや値下がりが大きくなりやすいように見えます。

わかりにくい例えですが、楽天全米株式とS&P500の関係に似ています。全世界株式は新興国株式を含む分だけ、景気に翻弄されやすい国・企業が多くなります。全米株式とS&P500では後者が安定的なように、全世界株式と先進国株式では、後者がやはり安定的なのかなと個人的には考えています。

先進国株式と全世界株式の判断ポイント

リターンを重視するか、値下がり回避を重視するか

ハイリスクハイリターンな結果を期待するなら全世界株式、値下がりを抑え、より保守的な運用を期待するなら先進国株式が向いているように感じます。

4年間の短い期間比較ではありますが、景気後退期→景気回復期→景気減速期でパフォーマンスが変わる様子は観察できているように思います。

SNSの人気に乗るなら全世界株式

数年前までは先進国株式が鉄板的な商品でしたが、2021年現在では「米国か全世界株か」の軸ができてしまったように思います。先進国株式を運用している話を見かけにくくなったことから、「みんなと同じが良ければ」全世界株式が向いています

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ちなみに、全世界株式と米国株の比較については以下の記事もご覧になってくださいね。

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積極的にオススメはしませんが、つみたてNISAで米国株を選び、特定口座で欧州株のアクティブファンドを選ぶなどの手もあります。欧州株は、高配当でバリューな銘柄の時価総額が大きいため、グロース株を積極的に選ぶアクティブファンドでパフォーマンスを底上げするという考え方です。

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まとめ

  • つみたてNISAが始まった2018年以降の全世界株式と先進国株式のパフォーマンスを比較
  • 景気が回復する局面では新興国株式を含む全世界株式が強く、景気が後退する局面では米国株を中心とした先進国株式が強い
  • SNSでは「米国株か全世界株式か」という軸ができてしまっているので、「みんなと同じ」が良い人にとっては先進国株式を選びにくい

というわけで、全世界株式に肩入れするような内容でしたが、先進国株式との比較はこんな感じです。

実は筆者は全世界株式派で、実際につみたてNISAでは日本を除く全世界株式(三井住友DCつみたてNISA全海外株インデックスファンド)を運用しています(日本株は個別株を選べるので)。仮に2019年の今から運用を始めるなら、eMAXIS slim 全世界株式(3地域均等型)を選んでいたと思います。

もし、先進国株式に興味を持ったら、以下の記事もご覧になってくださいね。

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