ここでは非課税制度「iDeCo」の話をしましょう。
「3000円投資生活」とは、一言で言えば「投資信託を毎月3000円ずつ積み立てましょう」というだけの話なので、投資信託の運用で使える非課税制度と相性が良いのです。
★3000円投資生活で使える「非課税制度」
非課税制度とは、投資信託の運用で得た利益に税金がかからなかったり、掛け金が所得控除になるなどの特典がある制度のことです。
もし、3000円投資生活でiDeCoを利用すると、掛け金が所得控除になるため、納税する所得税を安く抑えられるんです。
この記事では、3000円投資生活をiDeCoで実行する際のポイントを解説。
実は書籍中で語られた「世界経済インデックスファンド」はiDeCoで購入できないなど、iDeCo利用時に書籍の話を完全再現するのはちょっと難しいです。
そのあたりも含め、金融機関選びまで紹介します。
なお、iDeCoの具体的な話は以下のカテゴリも併せてご覧ください。
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具体的な商品の取り扱い状況
iDeCoは、各金融機関ごとに「1つのプランで約35種類の商品まで」との制限があるため、「すべての商品を扱う便利な金融機関」というものがありません。そのため、iDeCoは金融機関選びがかなり重要です。
確定拠出年金は今年5月1日(筆者注:2018年)に施行された法改正により、商品ラインナップを35本以下に制限することが決められました。
そこで、書籍「3000円投資生活」および「3000円投資生活デラックス」で紹介された主な商品の取り扱い状況を紹介します。
取扱金融機関 | 信託報酬 (%) |
純資産 (百万円) |
|
---|---|---|---|
世界経済インデックスファンド | なし | 0.55 | 61240 |
eMAXIS バランス(8資産均等型)※ | SBI証券 (セレクトプラン) マネックス証券 |
0.55 | 27068 |
楽天・全世界株式インデックス・ファンド | 楽天証券 | 0.212 | 32876 |
※2020年現在、eMAXIS バランス(8資産均等型)よりも上位商品であるeMAXIS slim バランス(8資産均等型)のほうが人気です
世界経済インデックスファンドはiDeCoで購入できない
実は、世界経済インデックスファンドはiDeCoを使って購入できません。その代わり、「DC世界経済インデックスファンド」という、iDeCo専用の同じ商品を選ぶことができます。
★世界経済インデックスファンドをiDeCoで運用することはできない
- 世界経済インデックスファンドはiDeCoでは購入できない(iDeCo以外ならOK)
- iDeCoで購入できるのは「DC世界経済インデックスファンド(世界経済インデックスファンドのiDeCo版)」
- DC世界経済インデックスファンドの販売会社は三井住友信託銀行だけ!!
ただ、「DC世界経済インデックスファンド」は三井住友信託銀行でしか扱ってないのがネックです。三井住友信託銀行のiDeCoプランは管理費用などがちょっと高いので、個人的にはあまりオススメしがたいです。
書籍「3000円投資生活」中で示された投資信託を購入したいなら、eMAXIS slim 8資産均等型を軸に考えたほうが簡単ですね。
積立額は最低毎月5,000円以上
あなたが会社員の場合、iDeCoの投資額は月額5,000円以上~23,000円以下になります。積立額上限はあなたの職業・属性次第で変わりますが、積立額の下限(5,000円)は共通です。
つまり、iDeCoを使って、投資信託の積み立てを行なう際には3,000円ではなく、毎月5,000円以上積み立てましょう、ということですね。
毎月5,000円未満の積み立てが良いなら、「つみたてNISA」がいい
もしあなたが、積立額を毎月5,000円未満に抑えたいなら、iDeCoよりもつみたてNISAが適しています。
つみたてNISAはiDeCoと異なり、簡単に始めやすく簡単にやめやすいのが特徴です。
★つみたてNISAのメリット
- 積立額の増減を簡単に変更できます
- やめたい時はいつでも簡単にやめられます
- 積み立てたお金はいつでも取り崩して現金化できます
iDeCo | つみたてNISA | |
---|---|---|
最低投資額 | 5,000円 / 月 | 100円 / 月 ※金融機関次第 |
積立額の変更 | 専用の用紙を取り寄せて送付 | ウェブから簡単に |
途中での現金化 | 不可 一度入金したものは60歳まで出金不可 |
可能 いつでも換金し出金可能 |
投資信託はeMAXIS slim バランス(8資産均等型)で良いんじゃないかな
書籍「3000円投資生活」では、
★「3000円投資生活」で紹介された主な投資信託
- 世界経済インデックスファンド
- eMAXIS バランス(8資産均等型)
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド(※2019年のデラックス版)
が示されていたので、今回はeMAXIS バランス(8資産均等型)の上位版である「eMAXIS slim バランス(8資産均等型)」で良いのでは?と思います。「eMAXIS slim バランス(8資産均等型)」は、
★eMAXIS slim バランス(8資産均等型)をiDeCoで購入できる金融機関
- SBI証券(セレクトプラン)
- マネックス証券
- 松井証券
の3社のiDeCoプランで購入できます。
ここはネット証券最大手のSBI証券を選んでおけば無難なのでは?と思います。SBI証券のiDeCoプランは筆者も利用しており、毎月の口座管理手数料(167円。2018年12月現在)以外はコストがかからないメリットがあります。
この手の事務手数料は、あなたの将来の年金を減らすだけですので、私たちにとっては喜ばしいことです。
業界最大手のSBI証券だからこそできるメリットですね。
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まとめ
- 書籍「3000円投資生活」を参考にiDeCoを始めたいなら、eMAXIS slim バランス(8資産均等型)を軸に商品を選定しよう
- 世界経済インデックスファンドはiDeCoで購入できない。代わりにDC世界経済インデックスファンドという商品があるが、三井住友信託銀行のiDeCoでしか購入できない
- iDeCoの最低投資額は5,000円から。制度的には「つみたてNISA」のほうが使いやすい(100円から投資できる・いつでもやめられる点など)
なお、iDeCoを利用するメリットとしては、掛け金が全額所得控除になることですね。
毎年、年末調整をやっているかと思いますが、それにiDeCoを加えることで、翌年支払う税金が安くなる、といった流れで処理されます。
将来のためにお金を残したいと思ったら、ぜひ使ってみてください。
初心者向けはつみたてNISAなので、iDeCoとつみたてNISAのどちらを、と迷ったら、つみたてNISAから始めることをオススメします。
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