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eMAXIS NYダウインデックスの特徴。「つみたてNISA」初のダウ平均連動ファンド!

楽天証券では2019年5月7日からつみたてNISAでeMAXIS NYダウインデックスを購入可能3. 商品選択と組み合わせ




2019年5月にeMAXIS NYダウインデックスがつみたてNISA対応の投資信託に追加されました!このファンドが追加されたことで、つみたてNISAを利用してダウ平均株価に連動するインデックスに投資できるようになりました

eMAXIS NYダウインデックスは信託報酬が高い点がネックですが、ダウ工業株そのものの成績が良いため、S&P500(米国500企業からなる指数)よりも高いパフォーマンスになる可能性があります(ダウ平均株価(ダウ工業株30種平均)については以下の記事で紹介しています)。

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eMAXIS NYダウインデックスとは

eMAXIS NYダウインデックス(協会コード:03311138)は、三菱UFJ国際投信が運用する投資信託です。

eMAXIS NYダウインデックス | 三菱UFJ国際投信

このファンドはeMAXISシリーズ(eMAXIS slimではない。いわゆる「fat」シリーズ)の1つです。

信託報酬や純資産などの基本情報

eMAXIS NYダウインデックスのお金の流れ

出典:eMAXIS NYダウインデックス目論見書

eMAXIS NYダウインデックスの特徴(2019年10月12日時点)
投資先米国株式
ベンチマークダウ工業株30種平均株価
購入手数料0%
(ノーロード)
信託報酬0.66%
実質コスト0.700%
信託財産留保額0%
換金手数料0%
運用期限
(償還日)
無期限
(償還なし)
純資産約104億円
つみたてNISA
iDeCo×

2013年の設定以降、eMAXIS NYダウインデックスは分配金を出していません。ファンドの特徴から、おそらく今後も分配金は出さないはずです。

信託報酬ランキング(2019年11月)

136位

SBI証券で2019年11月6日時点で取り扱う153本のつみたてNISA対象投信との比較。

eMAXIS NYダウインデックスのマザーファンド

マザーファンドの特徴(2019年1月29日時点)
ファンド名投資先ベンチマーク純資産売買高比率
NYダウインデックスマザーファンド米国株式ダウ工業株30種平均株価174億円0.59

NYダウ平均株価を構成する優良大型株30銘柄に投資

eMAXIS NYダウインデックスは、アメリカのNYダウ平均株価(ダウ工業株30種平均)を構成する30銘柄に投資します。ダウ工業株価はニュースで報道されることが多いため、投資未経験でも知っていることが多い指数だと思います。

ダウ・ジョーンズ工業株価平均は、米国の優良企業30社のパフォーマンスを測定することを目指す、株価加重指数である。この指数は、輸送および公共事業以外のすべての業種を網羅している。

出典:ダウ・ジョーンズ工業株価平均 | S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス

ダウ平均株価(ダウ工業株30種平均)の解説と連動する投資信託の紹介
ダウ平均株価はアメリカの株式市場に上場する著名企業30社から算出される株価指数のことです。ニュースで名前を聞いてご存知の方も多いと思います。 この記事ではダウ平均株価の構成銘柄・過去の成績と、同指数に...

eMAXIS NYダウインデックスの投資先

出典:eMAXIS NYダウインデックス月次レポート(2019年5月7日時点)

主な投資先は月次レポートより閲覧可能です。2019年5月7日時点ではボーイングやマクドナルド、アップルなど日本でも有名企業が上位に含まれていますね。ここ数年アメリカの成長企業として「FANG」という言葉が使われることもありますが、FANGを構成する4社はダウ平均株価には含まれません。

FANG(ファング)は、2015年頃から米国の株式市場で使われるようになった、米国の巨大ネット(ハイテク)銘柄群(4社)のことをいいます。これは、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)の「フェイスブック(Facebook)」、ネット通販(電子商取引)の「アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)」、動画配信の「ネットフリックス(Netflix)」、検索エンジンやクラウドなどの「グーグル(Google):コングロマリットのアルファベット(Alphabet)傘下」の4社の頭文字をつないだ造語

出典:FANG(ファング) | 金融経済用語集

類似商品との比較。「iFree NYダウ・インデックス」のつみたてNISA登場が待たれる

eMAXIS NYダウインデックスの主なライバルは以下のファンドです。

  • たわらノーロードNYダウ
  • iFree NYダウ・インデックス
  • SMTダウ・ジョーンズインデックス・オープン

NYダウに投資できるインデックスファンドは少なめで、eMAXIS slimシリーズや<購入・換金手数料なし>シリーズからは販売されていません。信託報酬の引き下げ競争は行なわれていないため、コストの高めなファンドも多いです。

eMAXIS NYダウインデックスと類似ファンドとの比較(2019年10月12日現在)
商品名信託報酬純資産つみたてNISA
iFree
NYダウ
0.2475123億円×
たわら
NYダウ
0..247517億円×
SMT
ダウ
0.5591億円×
eMAXIS
NYダウ
0.66102億円

残念ながら、eMAXIS NYダウインデックスは「たわら」や「iFree」のNYダウインデックスに比べるとコストの高いほうです。このファンドがつみたてNISAに対応したということは、今後たわらノーロードNYダウやiFree NYダウ・インデックスもつみたてNISA対象ファンドに含まれる可能性があります。どうせ投資するなら、「たわら」や「iFree」などのコストの低いほうを選べたらいいですね、というのが本音です。

iFree NYダウ・インデックスの評価と比較!20年積み立てたら将来いくらに?
「iFree NYダウ・インデックス」はアメリカのダウ工業平均株価に連動する投資信託。「つみたてNISA」には対応しないので、ちょっと出番は少ない商品ですが、アメリカの優良な超大型株に投資できるという...

検証:20年後の運用成績を算出

乱数シミュレーション(モンテカルロ法)を用いて、eMAXIS NYダウインデックスに20年間、毎月1万円ずつ積み立てた場合の予想成績を紹介します。以下で述べる計算結果は、あなたの将来の運用成績を保証・約束するものではありません

eMAXIS NYダウインデックスのリスクとリターン

ベンチマークであるダウ平均(円)の過去20年間のデータを使います。

ダウ平均(円) | myINDEX

計算に用いる条件はmyINDEXのリスクとリターン値を使い、筆者作成のモンテカルロシミュレータ(アセロラ)を用いました。リターンからは信託報酬(0.648)分を引いて計算します。

  • リターン:4.252%(4.9% – 0.648%)
  • リスク:18.1%
  • リターン:年利回りのこと
  • リスク:リターンの標準偏差(1σ)のことで、リスクが大きいほど、リターンの触れ幅も大きくなります

eMAXIS NYダウインデックスの将来予測

出典:筆者作成のアセロラにて算出。リターン:4.252% / リスク:18.1%

eMAXIS NYダウインデックスの将来予測の頻度分布

出典:筆者作成のアセロラにて算出。リターン:4.252% / リスク:18.1%

この計算によると、20年後の運用成績は240万円の投資に対し、中央値で338万円(幾何リターン:3.3%)、平均値で390万円と求まります。信託報酬の低いiFree NYダウ・インデックスの場合には、中央値で347万円(幾何リターン:3.5%)、平均値で405万円でしたので、おおよそ5~10万円が信託報酬の差です。

最も運用成績が悪い結果は、240万円の投資に対し52万円(-188万円)の評価額でした。20年後の元本割れの確率は24.8%で、iFree NYダウ・インデックスの試算に比べて2%程度元本割れ率が上昇します。

1年間の最大見込み損失額

1年間の最大見込み損失額は、投資額の32.0%(= 4.252 – 18.1 * 2)です。このファンドに限りませんが、株式100%で運用するファンドは投資額が1年で半分になる可能性があることも考慮しておいてください。

もっとも悲惨なケースは1929年からの世界恐慌時で、米国株は約9割近い下落を経験しました。

eMAXIS NYダウインデックスへの投資はオススメか

信託報酬は高いものの、現時点でNYダウに連動する商品はeMAXIS NYダウインデックスだけ、という点が強いです。ダウ工業株指数を利用したい方には無条件でオススメです。

もう一点、eMAXIS NYダウインデックスは投資する銘柄が米国の代表的な大型株30銘柄に限られる点も注意が必要です。S&P500インデックス同様に米国依存なファンドですので、eMAXIS NYダウインデックスを買うことは米国の今後の成長に賭けるのと同義です。

なお、ダウ工業株指数は不定期的に銘柄の組み換えが行なわれており、没落した企業は容赦なく外されています。そのため、米国が成長する限りはこの銘柄に投資しても問題ないと筆者は考えます。

過去のパフォーマンスは「ダウ工業株指数 > S&P500」でした。実はeMAXIS slim 米国株式(S&P500)などよりも良い成績を期待できるかもしれない商品です。一方、あなたが米国「信者」ではないのなら、本商品よりもMSCIコクサイインデックスに連動するファンドのほうが無難です。

eMAXIS NYダウインデックスはどこで購入できる?

特定口座・つみたてNISAで購入する場合

購入できる証券会社(5月7日時点で楽天証券は対応)

eMAXIS NYダウインデックスは多くの金融機関で購入できます。

取扱販売会社 | eMAXIS NYダウインデックス | 三菱UFJ国際投信

ただし、SBI証券や楽天証券のような「つみたてNISA対象商品を全て売る金融機関」を除くと、つみたてNISAでは買えないのでは?と思います。つみたてNISAを使って確実に買うなら、SBI証券や楽天証券等のネット証券を選んだほうが良いです。

参考までに、2019年5月7日時点で楽天証券ではつみたてNISAでの購入に対応していました

楽天証券では2019年5月7日からつみたてNISAでeMAXIS NYダウインデックスを購入可能

iDeCoでは販売していません

iDeCoでeMAXIS NYダウインデックスを販売する金融機関はありません。

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まとめ

  • eMAXIS NYダウインデックスはアメリカの有名30企業から構成されるNYダウに連動する商品で、S&P500やMSCIコクサイインデックスに比べ、分散性が低い
  • 信託報酬が高い。ライバル商品で信託報酬の低いiFree NYダウ・インデックスに比べると、将来の運用成績はやや低くなる見込み
  • つみたてNISAに対応。販売金融機関は多いが、つみたてNISAで購入できる金融機関は「全部扱う」系のネット証券に限られると予想

ちなみに、つみたてNISAでの商品カテゴリは「アクティブファンド等」に入れられていますが、これはおそらくダウ工業株指数が指定インデックスではないためです。この商品そのものはインデックスファンドですので、その点は気にせず投資されると良いと思います。

あなたが、今後もアメリカが世界の中心になると考えるなら、この商品も選択肢に入れてみてください。過去に基づく限りはS&P500よりも良いパフォーマンスを期待できますよ!