SPYDのセクター比率から今後の見通しを考えてみる

4. 投資信託・ETF商品解説




SPYDの分配金のことが話題なので、そのネタに便乗しますw分配金が減額されたことや、商品性への疑問みたいなコンテンツはあちこちで読めたので、ここでは少し違う目線で考えてみました。

SPYD減配の理由はREIT、金融、エネルギーだろ、と思ったお話 | 氷河期ブログ

SPYDはそのコンセプト上、どうしてもS&P500の中で株価の傷んだ銘柄ばかりを集める傾向にあります。

コロナショックでは、大きく影響を受けたセクターとそうでないセクターの差が大きくなりました。それが現在のSPYDのセクター比率に綺麗に表れているので、ちょっと紹介したなぁと思ったのです。

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SPYDのセクター変遷

2020年9月現在のSPYDは、コロナで大ダメージを受けたセクターの比率が高まっています。偶然にも2019年9月時点のSPYDのセクター比率の記録を残していたので、2020年9月現在のものと比較してみました。

まず、以下が2019年時点でのSPYDのセクター比率です。不動産(Real Estate)が20%近くと高く、次に一般消費財(Consumer Discretionary)とエネルギー(Energy)が続きます。この3セクターで約50%です。

2019年9月時点のSPYDのセクター比率

次に2020年9月現在のSPYDのセクター比率です。不動産やエネルギーが多いのはあまり変わらずですが、金融の比率が圧倒的に増えており、23.4%にも達しています。この3つのセクターを合わせて約50%ですね。

2020年9月時点のSPYDのセクター比率

さて、SPYDの主要なセクターとなってしまった金融、不動産、エネルギーはいずれも今苦しい状況にあります。一概にすべての企業がそうとは言えませんが、ざっくりと苦しい理由をまとめると以下の通りかと思います。

★3つのセクターが苦しい理由

  • 金融:コロナ後の緩和政策のため、米国債券金利が低下し収益性が悪化している
  • 不動産:コロナの影響でオフィスやホテルなどの収益が悪化。住宅なども今後悪化する可能性
  • エネルギー:コロナの影響で燃料需要の低下。もともと原油価格はシェールガス革命以降上がりにくく、エネルギーは低迷し続けるセクターだった

いずれもコロナの影響をまともに受けちゃったわけですね。これでは株価も容易には上がりませんので、SPYDの価格もすぐに戻るわけがありません。

今話題の米国株のセクターはGAFAMに代表される情報技術関連銘柄やテスラ(一般消費財セクタ-)のような先進性のある分野ばかり。SPYDにも情報技術関連銘柄が含まれるものの、ゼロックスとかヒューレットパッカードとか、今輝く銘柄ではないですねw

さらには、(SPYD構成銘柄ではないけど)BPが「石油需要拡大の時代終焉」を表明するなど、化石燃料事業も苦しい状況にあります。エクソンモービルやシェブロンといった高配当銘柄への投資はもう時代遅れなのかもしれませんね。

というのが、SPYDのセクターから読める現状です。SPYDに投資を続けるか、今後さらに追加投資を行うかは、こういう状況を踏まえて判断することになります。

セクターから見る今後の見通し

インデックスの理屈では「相場は予想しない」ものですが、バリューやスマートベータは相場の不合理性に賭けるものなので、ここではSPYDの見通しについて考えてみましょう。

以下で述べることは、筆者の単なる想像であり、妄言です。

SPYDの現在のセクター比率は、どちらかと言えばトランプ政権に親和性があるように思います。特にエネルギーや金融はトランプ政権の1つのテーマです。

わかりやすいところで述べると、トランプ政権は石油・ガスなどの化石燃料産業に手厚い保護を行っています。一方、対するアメリカ民主党とバイデン候補は、どちらかと言えば次世代のクリーンな産業に力を入れてます。もし、次の大統領選挙でバイデン候補が勝った場合には、SPYDのエネルギーセクターに含まれる化石燃料事業者は今後4年間にわたって苦しい状況に置かれるかもしれません。

つまり、SPYDが大きく復活するためには、コロナ終息に加えて、次期政権の政策次第でもあるように感じます。

なお、政策関連でもう1つ挙げると、FRB(米連邦準備理事会)は当面(2023年頃?)の間、現在の緩和政策を続ける見通しだとされています。低金利は成長株には恩恵がある一方で、SPYDの主要なセクターになってしまった金融にはネガティブな要素です。

ただ、金利が上がると今度は債務の多い苦しい事業者にとってネガティブです。そこまで判断するには構成銘柄の負債などをチェックすべきでしょうが、それではSPYDを買う意味がなくなってしまいますねw

省きましたけど、不動産や情報技術の銘柄はコロナ終息とその後の生活様式で業績が大きく影響されそうですね。通信や公益はコロナ関係なさそうだけど、逆に積極的に買う理由もない気がします。。

それでも大企業の復活に賭けるか

SPYDに含まれる銘柄は、なんだかんだで有名な企業ばかりです。2020年9月現在だと、AT&Tやベライゾン、エクソンモービルにシェブロン、そしてデュークエナジーやドミニオンエナジーなど、配当重視の米国株投資家なら知ってる企業が多数含まれています。

こういった銘柄が復活するのか、それともコロナショックをきっかけにS&P500から外されていくのか。あなたはどちらだと思いますか?

個人的には将来的には復活するでしょうけど、5~10年ぐらいはかかるのでは?という4月の見通しを続けたいと思ってます。

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まとめ

  • SPYDは運用コンセプトの都合上、パフォーマンスの悪いセクターが集まりやすい。2020年9月現在、エネルギーや金融、不動産など、コロナの影響をまともに受けた産業の比率が高い
  • エネルギーや金融などのセクターはトランプ政権と親和性がある。一方、バイデン候補が当選した場合には、厳しい状況が続くかもしれない
  • SPYDには今輝く銘柄は含まれていないが、それでも著名な米国の有名企業が含まれる。これらの企業の先行きをどう予想するか

余談ですが、「犬」のコンセプトの1つに「低迷している間は配当金をもらってやり過ごす」点があります。時々もらえる分配金を理由に飼い続けると、将来大きな獲物をしとめてくるかもしれませんね。

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知らんけどw

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