つみたてNISAでは先進国株式もののインデックスファンドが人気ですが、実は新興国クラスもそれなりに売れているって知ってました?
この記事で紹介する「eMAXIS slim 新興国株式インデックス」は、SBI証券の販売金額ランキングで15位。
新興国に投資するなら最有力候補とも呼べる商品なんです。
この記事では、eMAXIS slim 新興国株式インデックスの特徴と、ライバル商品である「EXE-i つみたて新興国株式ファンド」との比較を紹介。また、乱数シミュレーションや過去の実績から求めた、将来の成績と下落幅の予想数値も併せて紹介します。
他の新興国株式との比較は以下の記事をご覧ください。
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eMAXIS slim 新興国株式インデックスとは
eMAXIS slim 新興国株式インデックス(協会コード:0331C177)は、三菱UFJ国際投信が運用する、つみたてNISA対応の投資信託です。
eMAXIS slim 新興国株式インデックス | 三菱UFJ国際投信
eMAXIS slimシリーズは、もはや説明不要、つみたてNISAで資産形成の本命となる「eMAXIS slim 先進国株式インデックス」を内包する低コストインデックスファンドシリーズです。
信託報酬や純資産などの基本情報
購入手数料 | 0% (ノーロード) |
信託報酬 実質コスト |
0.20412% 0.379% |
信託財産留保額 | 0% |
換金手数料 | 0% |
基準価額 | MUFG公式 モーニングスター |
純資産(ベビー) 純資産(マザー) |
198億円 715億円 |
SBI証券ランキング つみたてNISA 設定件数 |
10位 (2019年8月) |
マザーファンド
マザーファンド「新興国株式インデックスマザーファンド 」は、eMAXIS 新興国株式インデックスやeMAXIS slim バランス(8資産均等型)などと共有しており、純資産は約715億円と十分な規模です。
新興国に投資・・・ってどこの国のこと?
eMAXIS slim 新興国株式インデックスは新興国に投資する商品で、MSCIエマージングマーケットインデックスに連動します。
MSCI エマージング・マーケット・インデックスは、MSCI Inc.が開発した株式インデックスで、世界の新興国の株式の総合投資収益を各市場の時価総額比率で加重平均し、指数化したものです。
以下のグラフは、eMAXIS slim 新興国株式インデックスの投資先の国の比率を示すものです。
出典:https://emaxis.jp/pdf/koumokuromi/252878/252878_20190725.pdf
- 中国:33.0%
- 韓国:13.0%
- 台湾:11.3%
- インド:9.2%
- ブラジル:7.2%
また、投資先であるメジャーな企業として、
- テンセント
- サムスン電子
- アリババグループ
- タイワン・セミコンダクター(台湾集積回路製造)
などがあります。
このように、eMAXIS slim 新興国株式インデックスの最終的な投資先は中国や台湾、韓国、インド、ブラジルなどの株式です。
特に中国とインドは人気の高い投資先ですね。
ちなみにeMAXIS slim 先進国株式インデックスとの違いは投資先が異なります。
- eMAXIS slim 先進国株式インデックス:アメリカやEU諸国など
- eMAXIS slim 新興国株式インデックス:中国や台湾など
検証:20年後の運用成績を算出
乱数シミュレーション(モンテカルロ法)を用いて、20年間、毎月1万円ずつ積み立てた場合の予想成績を紹介します。
以下で述べる計算結果は、あなたの将来の運用成績を保証・約束するものではありません。
eMAXIS slim 新興国株式インデックスのリスクとリターン
ベンチマークであるMSCIエマージングマーケットインデックスの過去20年間のデータを使います。
myINDEXによると、2018年4月19日時点で
- リターン:6.6%
- リスク:25.2%
です。
今回は信託報酬(0.2052%)を引き、
- リターン:6.3948%(6.6% – 0.2052%)
- リスク:25.2%
にて計算します。
計算結果:20年後の推定成績
計算回数 | 1,000回 |
運用年数 | 20年 |
総投資金額 | 240万円 (1万円 × 12ヶ月 × 20年) |
最高評価額 | 2,805万円 (+2,565万円) |
最低評価額 | 50万円 (-190万円) |
平均評価額 | 475万円 (+235万円) |
元本割れ回数 | 271回 |
元本割れ確率 | 27.1% |
20年後の成績は240万円の積み立てに対し、50万円~2,805万円と大きくばらつきました。
ただ、この結果は過去の数値に基づく乱数計算なので、単なる数字遊びとしてご覧ください。
eMAXIS slim 新興国株式インデックスの「見込み最大損失額」
myINDEXのリスクとリターンを使って、eMAXIS slim 新興国株式インデックスに投資した時に生じうる「見込み最大損失額」を算出しました。
これは、仮に1年間で「リーマンショック級の下落」を経験した際に、投資額のいくらを失うかを求めたものです。
過去のデータに基づく算出ですので、目安としてご覧ください。
リターン(%) | 6.3948 |
リスク(%) | 25.2 |
見込み最大損失額 (投資額の%) |
44 |
計算上、eMAXIS slim 新興国株式インデックスは、1年間で投資額の44%の評価損を抱える可能性があります。
仮に100万円投資後に酷い相場を経験すると、1年後に56万円になっている計算です。
新興国に投資する商品ですので、経済危機のようなイベントでは大きな値下がりを経験することが多くなるはずです。
「元本割れって怖いな」って方には向かない商品ですので、その点はご注意ください。
eMAXIS slim 新興国株式インデックスへの投資はオススメか
上述の通り、eMAXIS slim 新興国株式インデックスは、つみたてNISA対象商品の中で、極めてリスクの高い商品です。
すでに投資にある程度なれていて、かつ、余裕資金を運用するような個人投資家に向いています。
つみたてNISAでは、野村つみたて外国株投信やeMAXIS slim 全世界株式(除く日本)のように、先進国と新興国をペアで投資できる商品も販売されています。
「そのような商品では満足いかない!」といった場合にeMAXIS slim 新興国株式インデックスをお選びください。
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まとめ
- eMAXIS slim 新興国株式インデックスは低コストで中国や韓国、台湾などの新興国に投資できる商品
- ライバルはEXE-i つみたて新興国株式。ベンチマークが異なるので、若干成績が異なる可能性がある
- 新興国への投資はリスクが高い。金融危機が訪れると、1年で投資額の半分を失う可能性があることを認識した上で投資すること
なお、eMAXIS slim 新興国株式インデックスはSBI証券や楽天証券などのネット証券で販売しています。
EXE-i つみたて新興国株式はSBI証券のみで販売していますので、両者を選択できるSBI証券に口座を持っておけば好きなほうを選ぶことができます。