結論から言うと、資産運用はオール・カントリーと現金だけでも十分です。
近年は世界的に市場の相関性が高まっており、細かくアセットアロケーションを組む必要性が薄れてきたためです。
では、詳しく解説していきます。
2018年11月から発売開始された、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)」。
つみたてNISA対象投信の決定版(?)として、今後の運用が期待される商品が出てきました。
eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー) | 三菱UFJ国際投信
2019年1月に発表された、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the year 2018」で3位に入賞するなど、設定早々ながら多くの投信ブロガーに評価されています。
投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018
さっそく本商品の特徴や将来予測などをまとめましたので、以下紹介していきます。
オール・カントリーを選ぶメリット、向いている人みたいな話は以下の記事で紹介しています。
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eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)とは
出典:https://www.am.mufg.jp/text/release_181015_1.pdf
eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)(協会コード:0331418A)は、三菱UFJ国際投信が設定・運用する、国内外の株式に投資できる商品です。
eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー) | 三菱UFJ国際投信
名前からも分かるように、低コストのインデックスファンドシリーズ「eMAXIS slim」の名前を冠する商品です。
eMAXIS slim シリーズには似たような商品(例えば、eMAXIS slim 全世界株式(除く日本)など)がありますが、eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)は日本を含む全世界株式に投資できる点が異なります。
信託報酬や純資産などの基本情報
情報は2019年7月23日現在。
購入手数料 | 0% (ノーロード) |
信託報酬 実質コスト | 0.1296% (2019年8月9日以降) 0.19% |
信託財産留保額 | 0% |
換金手数料 | 0% |
運用期限 (償還日) | 無期限 (償還なし) |
基準価額 | 三菱UFJ国際公式 |
純資産(ベビー) 純資産(マザー) | 50億円 – |
SBI証券ランキング つみたてNISA 設定件数 | 第6位 (2019年16月) |
楽天・全世界株式インデックス・ファンドやSBI・全世界株式インデックス・ファンド (愛称:雪だるま(全世界株式))あたりをライバルに意識して設定された商品です。
2019年8月に信託報酬を0.1296%に引き下げ
2019年7月に販売開始された「たわらノーロード全世界株式」に対抗するため、2019年8月9日より信託報酬を0.1296%(税込み)に引き下げます。
マザーファンド
eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)のマザーファンドは以下の3本から構成されています。
- 外国株式インデックスマザーファンド(3,372億円):先進国株式部分。eMAXIS slim 先進国株式インデックスと共通
- 新興国株式インデックスマザーファンド(715億円):新興国株式部分。eMAXIS slim 新興国株式インデックスと共通
- 日本株式インデックスマザーファンド(5億円):日本株式部分。今のところ機関投資家向けファンドのみ共有
※純資産総額は2019年7月の運用報告書に基づく
他のeMAXIS slimシリーズとの投資先の違い
混乱しやすい他のeMAXIS slimシリーズとの違いを簡単に表にまとめます。
商品名 | 日本 | 先進国 | 新興国 |
---|---|---|---|
全世界株式(オール・カントリー) | ○ | ○ | ○ |
国内株式インデックス | ○ | × | × |
先進国株式インデックス | ○ | × | × |
新興国株式インデックス | × | × | ○ |
全世界株式(除く日本) | × | ○ | ○ |
全世界株式(3地域均等型) | ○ | ○ | ○ |
オール・カントリーの投資国を地図にすると以下の通り。
参考までに、以下は「eMAXIS slim 先進国株式インデックス」の投資先です。
オール・カントリーには日本ほか、ロシアや中国などの新興国が含まれていることが分かると思います。
ちなみに米国株については以下で詳しく書いています。
もしも、eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)に20年間投資したら
リスクとリターンを定義する
乱数シミュレーション(モンテカルロ法)で、将来予想も求めてみましょう。
今回はeMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)のベンチマークである「MSCI ACWI(オールカントリーワールドインデックス)」の過去20年の成績を利用します。
- 単純平均リターン:5.8%(6.9%)
- 幾何平均リターン:5.8%(6.1%)
- リスク:18.8%(15.3%)
出典:MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス (ACWI) (円) | myINDEX
※カッコ内は日本を除く先進国株式(MSCI コクサイインデックス)の成績
このリターンとリスクを利用して、モンテカルロ法を走らせました。
以下で述べる成績はあなたの将来の運用成績を約束するものではありません。
各種シミュレーション:20年後の予想成績は?
幾何平均リターンに基づく、20年後の成績
幾何平均リターン5.8%で20年間運用を行なったときの期待値は以下の通りです。
毎月の投資額 (万円) | 総投資額 (万円) | 投資収益 (万円) | 節税額(※) (万円) |
---|---|---|---|
1 | 240 | 206 | 42 |
2 | 480 | 411 | 83 |
3 | 720 | 617 | 125 |
※つみたてNISAを利用した場合
仮に毎月3万円積み立てると、720万円の投資に対して617万円の投資収益を期待できます。
つみたてNISAなどの節税策を利用できる場合には100万円以上の節税を期待できます。
平均リターンとリスクに基づく、20年後の元本割れ確率
エクセルにて試行回数1万回の計算を行なうと、20年後の元本割れ確率は17.4%でした。
投資先に新興国が加わると商品のリスクが高くなり、元本割れの可能性も上がるので、この結果もちょい高めな印象です。
1年間の最大損失見込み額
単純平均リターンとリスクから1年間の最大損失見込み額を求めたところ、投資額の31.8%でした。
ちなみにmyINDEXのデータによればリーマンショック時の値下がりは-52.9%ですので、金融危機時は1年間で半値かそれ以上の損失を覚悟したほうが良いです。
eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)を購入できる証券会社
オール・カントリーは以下の証券会社で販売されています。
- SMBC日興証券
- SBI証券
- 岡三オンライン証券
- auカブコム証券(旧:カブドットコム証券)
- GMOクリック証券
- 松井証券
- マネックス証券
- 三菱UFJ銀行
- 三菱UFJ国際投信ダイレクト(mattoco)
- 楽天証券
楽天証券で楽天カードを使って積立投資すると楽天スーパーポイントが付与されるので最もお得です。
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まとめ
- eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)は低コストで全世界株式に投資できる商品。日本株式を投資先に含んでいる点が特徴
- 主なライバルは楽天・全世界株式インデックス・ファンドとSBI・全世界株式インデックス・ファンド。eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)は低コストさで優位に立つ?
- 20年後の期待収益は投資額の1.8倍程度。リスクの高い商品ではあるので、金融危機時の損失についても考える必要あり
この商品の話はブロガーミーティングでも出ていて、「近々出るのではないか」と期待するところでした。
驚きの低コストさで、ほんと三菱UFJ国際投信は攻めの姿勢を続けていますね。
楽天・全世界株式インデックス・ファンドのように、「意外とコストがかかった」という話もあるので、1年ぐらい様子見した上で投資するのも良いと思いますよ!