結論から述べると、つみたてNISAでの主なハイリスクハイリターン商品は株式100%で運用するものです。
★ハイリスクハイリターンな商品には以下のような名前がついています
- 新興国株式
- 先進国株式
- 米国株式
- 日本株式(日経225・TOPIX・JPX400)
- 全世界株式
ネット(Twitterやブログなど)で話題になる商品の多くは株式100%で運用するもので、その多くはハイリスクハイリターンな結果が期待されるものです。
ここではハイリスクハイリターン商品として主な商品例などを一緒に見ていきましょう。
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つみたてNISAで選べるハイリスクハイリターン商品の特徴
出典:JPモルガンAMの超長期マーケット予測2019のデータを用いて筆者作成
つみたてNISA対象商品の内、ハイリスクハイリターンな商品のキーワードは以下の通りです。
- 新興国株式
- 先進国株式
- 米国株式
- 日本株式(日経225・TOPIX・JPX400)
- 全世界株式
基本的に、株式100%で運用する商品はいずれも価格変動が大きいためリスクが高いです。特に新興国株式はその傾向が強めです。
先進国株式や米国株式、日本株式は新興国株式ほどではないものの、やはり大きく価格が動く可能性があります。2008年のリーマンショックではいずれも40~50%以上の下落を記録しています。
SNSでは「米国株式 or 全世界株式に投資しよう」という声が強いのですが、これらはハイリスクハイリターン商品への投資になりますので、その点は事前に知っておいてほしいです。
つみたてNISAで選べる主なハイリスクハイリターン商品
おそらくネットや書籍で目にしたことのある商品が多く並んでいると思います。
新興国株式
おおよその投資国のイメージ
eMAXIS slim 新興国株式インデックス
eMAXIS slim 新興国株式インデックスは、もっともハイリスクな新興国株式クラスの中で純資産が多く、選びやすい商品です。 中国や韓国、台湾などのアジア各国の他、ブラジルやロシアなどを投資対象にしています。
先進国株式
おおよその投資国のイメージ
eMAXIS slim 先進国株式インデックス
eMAXIS slim 先進国株式インデックスはもはやつみたてNISAで最も有名な商品の1つとも言える商品で、日本を除く先進国株式に投資します。先進国株式の約65%前後は米国株式が占めていますので、米国株式 + 欧州各国株式と考えれば分かりやすいと思います。
ニッセイ外国株式インデックスファンド
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドはeMAXIS slim 先進国株式インデックスのライバル的商品で、やはりこちらも日本を除く先進国株式に投資します。eMAXIS slim 先進国株式インデックスとの大きな違いは運用会社が異なることで、それ以外の特徴はおおよそ同じといっても差し支えありません。
よく「慣れた」インデックス投資家は、運用会社の姿勢で選ぶことがあります。というのも、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドの運用会社であるニッセイアセットマネジメントは業界の低コスト化競争の先駆者なのに対し、eMAXIS slim 先進国株式インデックスの運用会社の三菱UFJ国際投信は「自らは信託報酬を下げないが、ライバルが下げたら下げる」という追従の姿勢をみせているからです。この後追いを嫌い、ニッセイアセットマネジメントを支持する投資家は結構いらっしゃるのです。
運用会社として、より規模が大きいのは三菱UFJ国際投信です。そういう意味で、先進国株式クラスに投資したい際には、特にこだわりがなければeMAXIS slim 先進国株式インデックスを選んでおけば良いと思います。
米国株式
eMAXIS slim 米国株式(S&P500)
eMAXIS slim 米国株式(S&P500)は米国株式約500社から成る「S&P500」指数と同等の成果を得るための商品です。その名前の通り、投資先は100%米国株式のみで、米国企業の反映に全てを賭ける商品です。
リーマンショック以降、米国株式のパフォーマンスが良かったことから、ネット上には米国株式の「追従者」が多くいらっしゃいます。彼らは米国株式への集中投資の利点を語りますが、基本的にはつみたてNISAのようなインデックス投資はある程度の分散性を確保したほうが安心です(初心者は特に)。
もちろん、集中投資することのメリット・デメリットを知った上で米国株式のみで運用するのは問題ありません。が、「xxさんがそう言ってるから」「xxという有名なブログに書いてたから」という話を鵜呑みにするのはどうかご注意ください(彼らはあなたの運用の責任を取らないのです!)。
楽天・全米株式インデックス・ファンド
楽天・全米株式インデックス・ファンドは基本的にeMAXIS slim 米国株式(S&P500)同様に米国のみに投資しますが、小型株を含む点で異なります。厳密には楽天・全米株式インデックス・ファンドは米国の全上場企業を投資対象としており、eMAXIS slim 米国株式(S&P500)よりも投資範囲が広くなっています。
ただし、相関係数はほぼ1に近く、運用成績はほぼ同じになりそうです。
日本株式(日経225・TOPIX・JPX400)
ニッセイ日経225インデックスファンド
ニッセイ日経225インデックスファンドは日本の日経平均株価を構成する225銘柄に投資します。アクティブファンドの「ひふみプラス」を除くと、もっとも純資産の豊富な国内株式向けのインデックスファンドです。
全世界株式
おおよその投資国のイメージ
eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)
eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)は日本を含む先進国株式と新興国株式に投資を行ないます。文字通り全世界が投資対象で、インデックス投資の分散性を追及した究極とも言える商品の1つです。
この商品を選ぶと、新興国株式、先進国株式、米国株式、日本株式の各資産クラスから商品を選ぶ必要がなくなります。これらの国々には株式の時価総額比率で投資されていますので、各国経済の伸張や衰退も気にする必要がなくなるのです。
楽天・全世界株式インデックス・ファンド
楽天・全世界株式インデックス・ファンドはeMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)同様に日本を含む先進国株式と新興国株式に投資を行ないます。但し商品の仕組みが若干異なっており、楽天・全世界株式インデックス・ファンドは米国バンガード社のETF「バンガード・トータル・ワールド・ストック(VT)」を通じて全世界投資を行ないます。そういう意味では、eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)とは直接比較することはできませんが、「全世界に投資する」という商品の目的は同じです。
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まとめ
- 株式100%で運用する商品はハイリスクハイリターンな運用成績になりがち。特に新興国株式はその傾向が強い
- SNS(ブログやTwitter)などで有名な商品は大抵ハイリスクハイリターンな商品。ブログ主とあなたのリスク許容度は異なる可能性があるので、自身の経験に併せて選ぼう(つみたてNISAが初めての投資ならバランスファンドでもいい)
- 「米国株式だけでOK」「日本株式は絶対投資するな」といった極端な物言いは熟考の上で判断したい。判断に迷ったら全世界株式のように全てに投資する商品を選ぶことをオススメ
ちなみに銀行などでつみたてNISAを利用する場合には、ここで挙げた商品は販売していないかもしれません。そのような場合には、
- つみたて先進国株式
- つみたて日本株式
- eMAXISシリーズ(slimではない。いわゆるfatシリーズ)のうち、先進国株式など
などを探してみることをオススメします。