なぜか唐突にレバナスを褒めたたえてみます笑
賛否両論あるレバナス(iFreeレバレッジ NASDAQ100、楽天レバレッジNASDAQ-100)ですが、個人的にはなかなかうまくできてると思ってます。たぶん、最終的にレバナスで(良い方向に)人生変える人は出てくるとも思います。
筆者もレバレッジファンドをちょこっとだけ運用してることもあって、「レバレッジファンドってどうですか?」ってたまに聞かれます。そこで今回は、特にレバレッジファンドに積み立てることについて思ってることをまとめてみたいと思いました。
買い推奨はしません。リスクは適度に取りましょうね。
では、一緒にみていきましょう!
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ドルコスト平均法の積み立てならきっと救われる
レバナスが上手くできていると思う理由は、ボラティリティの大きさがドルコスト平均法(定時定額投資)と相性が良いからです。
昔、こんな検証をしたことがありました。
- インデックスファンド海外株式と架空の投資信託を利用して、ボラティリティの違いがドルコスト平均法にどう影響するかを検証した
- 最初と最後の基準価額が同じ場合、途中で元本割れが長く続き、運用末期に大きく儲かるような相場ほど、ドルコスト平均法の効果が強く得られる
要するに、「積立投資なら安い時にたくさん買えるので安心ですね」という金融機関のよくある売り文句がレバナスに役立ちます。「終わりで大きく儲かる「つみたて投資」」という本があるように、ドルコスト平均法は最後に値上がりすれば、道中はヨコヨコでも儲かります。
この最後の値上がりは最高値更新するような、そういった値上がりでなくても良いのです。途中の安いタイミングでたくさん拾うほど、取得単価は下がってきますから、最後の値上がりはほんのちょこっと戻す程度でも案外利益が出たりします。
つまり、途中でレンジ相場が続き、減価が生じてもかまわないのです。値上がりしたタイミングで手放せば、レバナスへの積み立てはおそらく救われます。
そして、レバナスの投資対象はナスダックです(ナスダックの説明は不要ですね)。成長株ファンドは価格のボラティリティはあれど、最高値を更新するようにある意味で宿命づけられたようなものです。
価格の変動が激しい銘柄に投資する積極型成長株ファンドは強気相場ではマーケット全体よりも上昇するが、弱気相場ではマーケットよりも大きく下落する。しかし、下手に警戒しなくても大丈夫だ。何年後かに得る利益のことを考えるようにすることだ。夜の後には必ず朝日が昇るのである
出典:オニールの成長株発掘法(第17章)
という点を踏まえ、個人的にはレバナス(および、成長株がパフォーマンスをけん引するようなレバレッジファンド)にドルコスト平均法で積み立てることをそこまで毛嫌いはしてません。
でも、投資はお遊び程度にしてます
と、筆者はレバナスのことをこう考えているんですが、実際の投資はお遊び程度です。そこはビビりなので(笑)全資産を突っ込む勇気はありません。
以前、1986年以降のNASDAQ市場の運用成績から計算した疑似レバナスのパフォーマンスを紹介しました。
疑似レバナスはITバブルの頂上で一時4,239万円(約4,065万円の含み益)の評価額に達します。その後、ITバブルの崩壊とともに資産は急激に減り続け、ITバブル後の底で132万円(約69万円の含み損)になります。
なんと約40分の1(笑)
その後はさえない状況が続き、リーマンショックの株価下落で約91万円(184万円の含み損)になります。ここで心折れずに積み立てを継続することで、約11年かけて2億円に達します。もはやジェットコースターですw
ドルコスト平均法なら救われるといいつつも、やはりは宝くじ的なパフォーマンスで、良い方向に人生変える人の影で多数の脱落者が生じるとも思うのです。
下落相場の途中で売ってしまうと2回後悔します。
1回は「なんでこんな商品に投資してしまったんだろう」という後悔。そして2回目は、相場が回復してきたことで途中で売ってしまったことに対する後悔です。
というのを踏まえ、個人的にはどこかの下落相場で手放しても笑ってネタにできる程度の投資に留めています。
ボラティリティ以外のデメリットはないか
投資上、最も留意する点は「レバナスが永続できるかどうか」だと思います。
コロナショックの時、DirexionのいくつかのETFがレバレッジ倍率を下げるなどの対処を行いました。それと同じように、下落相場の中でレバレッジ倍率の調整や償還などが行われると厳しいです。
これが一番のリスクだと思ってます。
このようなリスクが生じうる局面として、次の2つの事象があります。
1つは70年代のような金利上昇(米国債利回りが10%超えるような)です。
カーネルさんのレバレッジドオールウェザーポートフォリオのバックテストを見ると、S&P500とレバレッジポートフォリオの成績差が大きく乖離しているのは金利上昇があった期間です。
金利を織り込んでもレバレッジドオールウェザーは強いのか? | Dr.Kernelの見た世界
レバナス自体は債券は含まないものの、お金を調達する金利コストの上昇と、金利上昇でナスダック銘柄が売られる可能性はありうると思います。
もう1つは、ITバブル崩壊の再来でしょうか。
これTwitterで言うといろいろ言われそうだから言いたくない(笑)けど、最近話題のメタバースとか派手に転んだら痛手負う企業とか出てこないですか?と思ったり。
実際のところ、米10年債が利回り10%超えるとか、ナスダックが80%下落するとか、現状からはちょっと考えにくいですね。ですが、絶対無いとも言い切れないので、個人的には頭の片隅に入れておくことにしてます。
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まとめ
- レバナスは積立投資と相性がいいと考えています。レバレッジのボラティリティの大きさは、ドルコスト平均法にとっては味方になりうる
- 個人的にはリスクを取る勇気がないので、実際の投資はお遊び程度にとどめてます
- レバナスの最大のリスクは、金利上昇や相場の大きな下落によって、ファンドの永続性に不安が生じる部分だと考えてます
ちなみに、レバナスの関連記事もどうぞ。
ではでは、これからがこの記事で一番述べたかった話ですw
余談:大和アセットマネジメントはマーケティングが上手いと思う
個人的に「ここが上手い」と思ったのが、大和アセットマネジメントがレバナスを「ツミレバ」として売り出したこと。つまりは「レバレッジファンドに積み立てましょう」とマーケティングしてきた点です。
ツミレバは「積立」と「レバレッジ」を組み合わせた、従来の常識にとらわれない、新しい投資の選択肢です。 レバレッジ型の投資信託(レバレッジファンド)を使うことで、追加証拠金等の心配なく、積立にレバレッジを活用できます。
グロ3やUSA360あたりは、アセットアロケーション的にボラティリティを解決しようとしましたよね。特にグロ3は効率的フロンティアを前面に出して、専門的なアピールを行ってたように思います。
それに対して、大和アセットマネジメントはレバレッジのボラティリティの問題を積立投資で解決しようとしました。積立投資自体はつみたてNISAで馴染みのあるものですから、こちらのほうがなじみやすいように思うんです。
そこが上手いな、といつも感心してしまうんです。
ナスダックという題材もSNS向きですし、ほんとマーケティング的によい商品ですよね。
それに便乗した楽天レバレッジNASDAQ-100にはノーコメントですw
これがあなたとシェアしたい話題でした。では、適度なレバレッジライフを。