「DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)」は、もともとiDeCo向けのバランスファンドとして設定された投資信託で、2018年から始まったつみたてNISAにも対応しています。
債券ファンドのないつみたてNISAにおいて、債券ファンドの代用として投資できる、ローリスクローリターンな商品の1つです。
以下では、DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)の特徴、これまでの運用実績、将来の予想成績と、1年間で被る可能性がある損失見込み額をそれぞれ紹介。
また、類似する商品として「三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)」や「ダイワ・ライフ・バランス30」との差異なども紹介していきます。
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DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)とは
出典:DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)目論見書
DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)(協会コード:29311031)は、ニッセイアセットマネジメントが運用する、つみたてNISAとiDeCoに対応したバランスファンドです。
DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型) | ニッセイアセットマネジメント
DCニッセイワールドセレクトファンドは、元々iDeCo用に作られており、アセットアロケーションの異なる4つのバランスファンドからなる「DCニッセイワールドセレクトファンドシリーズ」を作っています。
- DCニッセイワールドセレクトファンド(株式重視型)
- DCニッセイワールドセレクトファンド(標準型)
- DCニッセイワールドセレクトファンド(安定型)
- DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)
DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)はこのシリーズの中でローリスクで、つみたてNISA対象投信の中でもリスクの低い投資信託の1つです。
信託報酬や純資産などの基本情報
情報は2018年6月21日現在。
購入手数料 | 0% (ノーロード) |
信託報酬 実質コスト |
0.1944% – |
信託財産留保額 | 0% |
換金手数料 | 0% |
運用期限 (償還日) |
無期限 (償還なし) |
基準価額 | ニッセイAM公式 モーニングスター |
純資産(ベビー) 純資産(マザー) |
92億円 – |
SBI証券ランキング つみたてNISA 設定件数 |
ランク外 |
債券重視のローリスクな「つみたてNISA」対応ファンド
出典:DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)目論見書
DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)は株式30%、債券65%、短期金融資産5%の比率で運用されています。
- 国内株式:20%
- 外国株式:10%
- 国内債券:45%
- 外国債券:20%
- 短期金融資産:5%(短期金融資産は元本変動リスクの低い、1年以内の債券)
短期金融資産とは、短期金融市場で運用、調達される、1年以内に償還が来る資産のことを言います。これは、金融機関や法人などを対象とした、短期に資金を預けたり借りたりして融通する確定金利の金融商品であり、代表的なものとしてコールローンや譲渡性預金(CD)、コマーシャルペーパーなどがあります。
出典:短期金融資産(たんききんゆうしさん) | 東海東京証券
つみたてNISA対応商品の中では、かなり債券比率の高い部類に属します。
ローリスクに積立投資したい場合に選ぶ可能性のある投資信託の1つです。
「DC年金バランス30(債券重点型)」「ダイワ・ライフ・バランス30」との比較
DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)との類似商品に、
があります。
いずれも、株式30%、債券70%の比率で運用され、DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)とよく似たアセットアロケーションを作っています。
商品名 | 信託報酬 | 純資産 |
---|---|---|
DC年金バランス30 | 0.2376% | 90億円 |
ダイワ・ライフ・バランス30 | 0.1944% | 131億円 |
DCニッセイワールドセレクトF (債券重視型) |
0.1944% | 92億円 |
商品名 | 国内株式 | 国内債券 | 海外株式 | 海外債券 | 短期金融資産 |
---|---|---|---|---|---|
DC年金バランス30 | 20% | 55% | 10% | 10% | 5% |
ダイワ・ライフ・バランス30 | 20% | 55% | 10% | 15% | 0% |
DCニッセイワールドセレクトF (債券重視型) |
20% | 45% | 10% | 20% | 5% |
この3つで比較すると、国内債券比率が低く、海外債券比率が高いDCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)がもっともハイリスクハイリターンになります。
ただ、つみたてNISA全体で見れば、いずれのファンドもローリスクローリターンなことには変わりありません。
DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)に設定来(2003年1月~)から毎月1万円積み立てていたら?
DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)に2003年1月から2018年5月末の毎月15日に、毎月1万円ずつ積み立てを行っていると、2018年6月21日現在では+689,211円の利益が出ています。
積立回数 | 184回 |
積立金額 | 1,840,000円 (毎月10,000円 × 184回) |
時価 (2018年6月21日時点) |
2,529,211円 |
評価損益 (時価 – 積立金額) |
+689,211円 |
この間の利回りは、年平均でおよそ3.8%です。
検証:20年後の運用成績を算出
乱数シミュレーション(モンテカルロ法)を用いて、DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)に今後20年間、毎月1万円ずつ積み立てた場合の予想成績を紹介します。
以下で述べる計算結果は、あなたの将来の運用成績を保証・約束するものではありません。
DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)のリスクとリターン
myINDEXの資産配分ツールを利用し、DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)と同じアセットアロケーションを作った際のリスクとリターンを計算します。
このリスクとリターンは過去20年の平均値です。
出典:myINDEXの資産配分ツールを利用して、筆者作成
- リターン:3.2%
- リスク:6.2%
でした(2018年6月21日現在)。
- リターン:年平均利回りのこと
- リスク:リターンの標準偏差(1σ)のこと。リスクが大きいほど、リターンの触れ幅も大きくなります
※詳細は「投資信託におけるリスクとリターンとは何を示すのか」を
今回は信託報酬(0.1944%)を引き、
- リターン:3.0056%(3.2% – 0.1944%)
- リスク:6.2%
にて計算します。
計算結果:20年後の推定成績
計算回数 | 1,000回 |
運用年数 | 20年 |
総投資金額 | 240万円 (1万円 × 12ヶ月 × 20年) |
最高評価額 | 657万円 (+417万円) |
最低評価額 | 182万円 (-58万円) |
平均評価額 | 332万円 (+92万円) |
元本割れ回数 | 47回 |
元本割れ確率 | 4.7% |
仮に240万円積み立てて、20年後に334万円になった場合、
- 通常の積立投信なら、92万円の20.315%である約19万円を納税
- つみたてNISAなら、利益は全てあなたのもの!
というわけですね。
DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)の「見込み最大損失額」
myINDEXのリスクとリターンから、DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)に投資した時に生じうる「見込み最大損失額」を算出しました。
将来、「リーマンショック級の下落」を経験した際に、1年間で投資額のいくらを失うかを求めたものです。
過去のデータに基づく算出ですので、目安としてご覧ください。
リターン(%) | 3.0056 |
リスク(%) | 6.2 |
見込み最大損失額 (投資額の%) |
9 |
DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)は、計算上1年間で投資額の9%下落する可能性があります。
仮に100万円積立後に酷い相場を経験すると、1年後に91万円になっている計算です。
参考までに、myINDEXのデータによると、このアセットアロケーションの2008年の下落幅は年間で-17.5%した。
DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)への投資はオススメか
DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)は、
- つみたてNISAを使った資産形成に取り組みたい
- でも、大損するのは怖い
と思ったときに利用できる商品です。
今まで銀行預金しか使ったことなく、投資で積極的にリスクを取るのは怖いと思う、投資初心者に向いていると筆者は考えます。
挑戦的な人よりも、石橋を叩いて渡りたいような、失敗したくない人向けの商品です。
デメリットとして、ポートフォリオの半分以上を国内資産に依存するため、日本国債のデフォルトや、日本経済の弱体化に伴うリスクは捨て切れません。
しかし、ライバル商品である、三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)やダイワ・ライフ・バランス30よりもやや国内債券比率が低い点は良い材料です。
DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)と三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)とダイワ・ライフ・バランス30のどれを選ぶか、と言われたら、DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)を選ぶでしょうね、個人的には。
DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)はどこで購入できる?
DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)は主にネット証券と一部の金融機関で購入できます。
- 楽天証券
- SBI証券
- 千葉銀行
- 日本生命
- 東海東京証券
- 松井証券
- マネックス証券
iDeCo対応投信ですが、ネット証券ではつみたてNISAでの取り扱いに限られます。
SBI証券や楽天証券で購入すると、購入残高に応じてポイントが付与されますので、他の金融機関よりもお得に購入できます。
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まとめ
- DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)は、できるだけローリスクな商品を使って、つみたてNISAを始めたいときに選択できる代表的商品
- 類似のファンドであるDC年金バランス30やダイワ・ライフ・バランス30よりも国内債券比率がやや少なめで、その分海外債券比率を高めている
- iDeCo対応商品だが、ネット証券ではつみたてNISAを通じて購入可能。iDeCoでは投資できない
リスクの低い、つみたてNISA対応のバランスファンドで順番をつけるなら、
- DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)
- ダイワ・ライフ・バランス30
- DC年金バランス30
かな、と思います。
あなたがこのあたりの商品で選択に迷っていたら、DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)をぜひ最初にチェックしてみてください。
つみたてNISAでは、DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)以外にも様々なバランスファンドを選択可能です。
その特徴や、比較的オススメしやすい商品については以下の記事でまとめていますので、あわせてご覧ください。